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今回は、気持ちが塞ぎがちになったり、暗い状態になったままといういわゆるメンタル不調の状態をケアするツボについてご紹介します。
そもそも鍼灸治療とメンタルケアはあまり関係がないように思う方も多いかもしれませんが、東洋医学では体と心(感情)は密接な関係があるものとしてとらえており、心までしっかりとケアをしてこその治療という考え方があります。
そのため、鍼灸治療でもこの精神面のケアはとても大切にしているものであって、不調の状態に合わせた様々なケア方法がとられます。
今回は、メンタル不調の方の多くが当てはまりやすいものを中心に、ツボ刺激などの体のケアによって、メンタル不調を改善していくための方法をご紹介します。
膻中(だんちゅう)は、両乳頭の丁度真ん中、胸骨に沿った場所にあるツボです。
少し凹んでいて、押すとちょっと痛みがあるくらいの方は特にこのツボを刺激してみてください。
気持ちが塞ぎがちになると、肩や首が前の方に出てきて、どうしても体が内側にうずくまるようにして固まってしまいがちになりますが、この凝り固まった状態をほぐして気持ちも少し解放に向けてくれるツボがこの膻中です。
膻中はこのほかにも、胸やのどの辛さといった症状が出ている場合に用いられるツボで、息苦しいような感覚の時などにも良いでしょう。
強く押しすぎるとただ痛いだけですので、やさしくジンワリと、市呼吸をしながらゆっくりと押してあげる方法がおすすめです。
前述のように、気持ちが塞ぎこみがちになると体がうずくまるようにして固まり、胸の上部などもこりかたまりやすくなります。
胸の上部を優しく内側から外側に向けてなでるようなマッサージをすると、胸のコリをほぐす事ができますので、左右15秒程度ずつでも行ってみてください。
ツボの刺激とマッサージで胸が開きやすくなると、呼吸も楽になって気持ちも前向きになりやすくなります。
足の親指から足の側面にそって少しかかと側にいったところに、ちょっと窪んだ箇所があると思います。ここが太白・上太白と呼ばれるツボです。
このツボはお腹のめぐりを良くする事で、胃腸の働きの改善や、沈みがちな心のケアに用いられます。
痛いくらいに押す必要はありませんので、ジンワリと気持ちがいいと感じる程度の力加減で15秒程度押してください。
手首のシワから、指三本分程度上にあるツボの内関(ないかん)。
内関は、よく乗り物酔いや二日酔いなどに効果的などといわれるツボです。
胃の働きを良くする事で、胃からこみ上げるような不快感をケアするという目的のものですが、ストレスがかかると胃がムカムカするというように、胃の不快感をケアする事はメンタル不調にもとても関係が深い形となります。
ストレスで胃がキリキリしているような方などに特に向いているといえます。
メンタル不調のツボとして、太白や内関といった胃腸の働きに関係するようなツボもご紹介しましたが、東洋医学では人のエネルギーは胃腸で吸収してから全身にいきわたるという考えがあり、食事とメンタル不調は強い結びつきがあるとされています。
食事の見直しといっても色々と細かく考えるわけではありませんが、メンタル不調に悩んでいる方は、よく噛んで食べる事、栄養的にバランス良く食べる事など、基本的な食べ方を見直すようにしてみてください。
また、栄養学的には幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの原料となるトリプトファンなどが豊富なナッツ系を食べるなど、意識的に摂取する事で気持ちを前向きにしやすい食べ物などもありますので、調べてみてはいかがでしょうか。
今回はメンタル不調に関するツボをご紹介しました。
メンタル不調にお悩みの方が当てはまりやすいものを中心にご紹介していますので、何となく最近気分が塞ぎがちであったり、ストレスでお腹あたりに不快感があるというような方は、是非お試しください。