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ダラダラと沢山出てくると不快感となって嫌な汗。ただ、そもそも汗は人体に必要だから出ています。
汗が持つもっとも重要な役割は、ご存知の通り体温の調整。
汗をかき、その汗が蒸発する際に体から熱を奪っていくため、汗をかく事で体温を下げる事が可能となります。
人体は熱を持ちすぎると細胞が固まってしまうなど悪影響となりますので、汗をかいて体温調整する事は生命にとって重要な機能なのです。
そのため、汗が不快だからといって完全に抑えてしまったり、かいた汗をすぐにタオルなどでふき取ってしまうと、体温を下げる事が出来なくなります。
すると、前述の通り、体が熱を持ちすぎるのは危険なので、何とか熱を下げようと更に汗を分泌しようと頑張るようになります。
つまり、汗を抑えすぎたりこまめにふき取り過ぎたりすると、なんとか体温調整するために汗が余計に出やすくなっていく可能性があります。
汗を抑えたくて汗っかきになってしまったら本末転倒ですよね。
逆に、汗が自然と蒸発して体温が下がってくると、汗を分泌する必要がなくなるので汗は落ち着いてきます。
また、汗を拭きとったりする行為は、肌に摩擦刺激が加わるため角質層の細胞や汗腺がダメージを受ける事となります。
汗をかいた肌は特に水分でふやけて弱くなっていますので、強くゴシゴシ拭いてしまうと、必要な角質層が剥がれてトラブルの原因に。
こうしたデメリットがあるため、汗をこまめにふき取り過ぎるのはあまりよくない行動だと言えます。
以上のように、抑えすぎる事や肌・汗腺への強い刺激はNGとなる汗のケアですが、そうはいってもニオイや不快感を解消する必要はありますし、また湿度が高い日本の気候では汗が自然と蒸発しにくいという特徴もあるので、制汗剤やふき取りのケアが必要になる事は確かです。
そこで、それぞれの選び方や使い方について、正しい知識を身に着け、なるべく負担が少ないようにケアできるようにしましょう。
まず、汗(とくに脇汗)をタオルでふき取ってケアする場合は、なるべく濡れたタオルで服用にしましょう。
汗の吸収は乾いたタオルの方がもちろん良いのですが、汗によって発生するニオイの元となる成分は、乾いたタオルより濡れタオルでふき取る方が除去しやすくなるので、ニオイを抑えやすくなります。
また、濡れたタオルでふき取る事で拭いた部分を冷却する事が出来るため、汗を拭きとっても体温を下げやすくなる事から、自然と汗の分泌を抑える事ができるようになります。
ただし、濡れたタオルは摩擦が強くかかりやすくなる可能性もあるので、肌に強く押しあてず、なるべく軽く当ててふき取るように気を付けましょう。
制汗剤には汗腺を塞いで汗が出てこないようにするタイプのものと、汗による菌の増殖を防ぐ、殺菌成分中心のデオドラントスプレーがあります。
汗が出てこないようにするタイプのものについては、モノによって1日中しっかりと汗を抑えるものから、少し汗が出てくるのを抑える程度のものまでその効果に幅があり、なんとなく汗を抑える働きの強いものを選びがちです。
しかし汗を完全に抑えてしまうと体温調整が出来なくなって余計に汗を出そうと体が頑張るようになりますし、また通常は汗と一緒に排出される老廃物などもたまった状態になるので、汗が出てきた時に一層ニオイを発しやすくなるなどの問題があります。
汗を抑えるタイプのものは、例えばパーティなど重要な予定で汗を絶対かきたくない日は強いもの。比較的涼しい空間にいる時間が多い時は弱いものなど、生活スタイルに合わせて使い分けするとよいでしょう。
また、時には汗をしっかりとかく事も大切ですので、週に1日くらいは汗を抑えない日を作る事も必要です。
殺菌タイプの制汗剤は、汗そのものを抑える効果ではなくニオイを抑えるためのもの。対策したい体臭の程度によって選ぶようにしましょう。
こちらもとにかく強い殺菌力のものを選びがちですが、強すぎる殺菌力のものを利用すると、より強い菌が残りやすくなって、ニオイが悪化してしまうなどのケースもあるので、そもそも体臭がそこまで強くないのであれば殺菌力が穏やかなフェノールなどを利用したもの。体臭がある程度強いのであれば強い殺菌力がある成分のものなど、使い分ける事が大切です。
使うタイミングとしてはニオイが気になってきた時に使う形。たまに香水のようなイメージで出かける前に沢山使うような人がいますが、菌がいない状態で使っても殺菌効果は発揮されませんし、むしろ肌を守っている常在菌を減らすだけとなってニオイが出やすくなるので、おすすめできません。(先に吹きかけて菌の繁殖を抑える持続タイプのものは別)
また、菌の繁殖を抑えるタイプについては脇に直接使うものではなく、服に吹きかけて菌の繁殖を防止するタイプのものがおすすめ。
ニオイを発する原因は服に吸収された汗から雑菌が繁殖するという面が強いため、服に抗菌効果を持たせた方が効果も高く、また肌への負担にもなりにくいです。
制汗剤は利用シーンや体質に合わせて「丁度いい」ものを選ぶように注意しましょう。