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ストレッチをご紹介する前に、まずは壁さえあればどこでも、誰でもできる簡単なチェックをしてみましょう。
上の写真のように、壁にかかと、お尻、肩(肩甲骨)、そして頭をつけて立つだけです。すると頭が壁につきにくかったり、頭が壁につけることができたとしても、腰と壁の隙間に握りこぶしがスッポリと入ってしまったりする場合、そのままの状態で有酸素運動を行っても脂肪燃焼効率が低い可能性があります!
壁に頭がつきにくかったり、腰と壁の隙間が大きくなってしまったりする場合、「猫背」になっているものと考えられます。猫背の姿勢は肩こりなどを引き起こすだけでなく、脂肪燃焼効率をダウンさせてしまうと言えるからです。姿勢も脂肪燃焼効果に大きく影響するのです!
それではなぜ猫背の姿勢が脂肪燃焼効率をダウンさせてしまうのでしょうか。
猫背の姿勢になると、肺や心臓を取り囲んでいる胸郭が下に落ち込むために換気量が低下します。すると取り込むことができる酸素の量が少なくなってしまいます。
脂肪はその中に含まれている酸素の量が糖質と比べて少ないため、それを燃焼させる際には大量の酸素が必要となります。しかし猫背の姿勢になると取り込むことができる酸素の量が少なくなってしまうため、脂肪燃焼効率がダウンしてしまうと言えるのです。
猫背の姿勢は脂肪燃焼効率をダウンさせてしまいます。そのため脂肪燃焼効果を高めるには、猫背の姿勢を改善させる必要があります。したがって猫背の姿勢を改善させるストレッチが脂肪燃焼効果を高めるストレッチということになります。
猫背は、胸の筋肉などが強く緊張して肩甲骨が外に開き、上背部の後弯が強くなった状態です。そこで猫背の姿勢を改善するには、強く緊張した胸の筋肉へのストレッチが有効と言えます。
20~30秒間、胸の筋肉が心地よく伸ばされていることを感じながらストレッチするようにします。
胸の筋肉へのストレッチの決め手は「肘」にあります。肘の内側を壁にしっかり当てることで、胸の筋肉をしっかりとストレッチさせることができます。
また、肘の位置でストレッチされる箇所が変わってきます。肘の位置が肩のラインよりも下にあると、主に胸の筋肉の上部がストレッチされるようになります。逆に肘の位置を肩のラインよりも上にすると、胸の筋肉の下部のラインがストレッチされるようになります。
ストレッチする方の足ではなく、反対側の足を前に踏み出していませんか?そうすると上体を反対側へ回旋させる際にブレーキがかかってしまい、ストレッチ効果がダウンしてしまいます。ストレッチする方の足を前に出すようにすることで、胸の筋肉がよりしっかりとストレッチされるようになります。
また、反動や弾みをつけてストレッチをしないようにしましょう。反動や弾みをつけてしまうと、柔軟性を高める効果が期待できない上、筋肉を損傷してしまう可能性があるからです。
顔の前で肘から手のラインを合わせて両腕を閉じることで肩甲骨を大きく外に開いたところから(写真左)、両腕を開くことで肩甲骨を内側に寄せる動作(写真右)を10回繰り返します。
このストレッチを行うことで肩甲骨を内側に寄せる際に機能する筋肉が機能するようになると同時に、胸の筋肉の緊張を緩めることができます。
肩甲骨を内側に寄せる動きを少しずつ大きくしていくことが可動域を広げるコツです。
必ず肩甲骨を外に大きく開いたところからスタートして、肩甲骨を内側に寄せる動作で終わるようにしましょう。動きを高めるには、高めたい動きで終わるようにするのが法則です。
呼吸は、両腕を閉じるときに息を吐き、両腕を開くときに息を吸うようにしましょう。ストレッチは、ムリなく動かせる範囲で行いましょう。
2つのストレッチを行ったら、もう一度先ほどの壁を使ったチェックを行ってみましょう。おそらく頭が壁につきやすくなり、壁と腰の隙間もやや小さくなったのではないでしょうか。また呼吸もストレッチをする前と比べて、行いやすくなっていることが感じられるかと思います。
この状態で有酸素運動を行うと、より多くの酸素を取り込めるようになるので、脂肪燃焼効果がグンとアップします!
体脂肪を減らす目的で有酸素運動を行う場合は、是非この2つのストレッチで肩甲骨を整えてから有酸素運動に取り組むようにしてみてください!