1月12日(木)からフジテレビ系で始まった新ドラマ「嫌われる勇気」。みなさんは、ご覧になりましたか? 女優の香里奈さんが久しぶりに主演することに加えて、昨年話題となったアドラー心理学のベストセラーが原作ということで、さっそく視聴しました。
ベースのストーリーは香里奈さん扮する刑事の庵堂蘭子(あんどうらんこ)が事件を解決するシンプルな内容ですが、随所にアドラー心理学の思想が見られて、蘭子の周囲を気にしない言動が目を引きます。
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現実の生活では、蘭子のように他人の目を気にせずに実践することは、なかなか難しいですよね。でも、ドラマの中のファンタジーとして済ませるにはもったいないほどに、真理をついていているのも事実。
みなさんは、嫌われる勇気がありますか?
アドラー心理学おさらい
まずは、原作の「嫌われる勇気」の元となるアドラー心理学について、ざっとおさらいしておきましょう。
アドラー心理学は、オーストリア出身の精神科医で心理学者でもあるアルフレッド・アドラーによって提唱された理論です。原作に書かれた「世界はシンプルである」「誰もが幸福になれる」という言葉が象徴しているように、アドラー心理学では、人は幸福になるために、世界も人生もシンプルであることを認識する必要があると説いています。物事が複雑に見えるのは、自ら複雑にしているだけで、俯瞰して客観的に見れば世界はとてもシンプルなのだと。
また、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」とも断定しています。他人との比較や認めて欲しいといった欲求ばかりにとらわれるのではなく、自分の価値観をハッキリさせることで自由に生きることができると。つまり、全ての人から好かれようとするのではなくて、誰かに嫌われても自分の信じる善を選ぶことが、自由で幸福な人生を送るためのポイントになると言っています。
実際、何か行動しようとするときに、誰かに嫌われるかもしれないという不安から、実行に移せなかった経験がある人は多いでしょう。もし行動できたとしても、嫌われるんじゃないかと不安にかられてしまったり……。
実は私も、以前は嫌われないように空気を読んで、他人に合わせることを優先していました。
安心してください、みんな嫌われています
当時は周囲に気を使って行動していましたが、全ての人が認めてくれるようなことはありませんでした。取り繕うことに疲れて、人間関係を疎ましく感じるようになり、努力が認められないことに腹が立ちました。
でも、気づいたんです。「嫌われるかもしれない」という不安が単なる幻想でしかないことに。この幻想とは、「何をしても嫌われなどしないから大丈夫」ということではなくて、むしろ逆の意味です。どんなことをしてもしなくても嫌われる、ということです。
「嫌われるかも」と不安だったのは、裏を返せば嫌われないという自負があったからです。程度の差こそあれ、どんな行動も必ず否定する人は一定数いることはわかっていても、全員に認められようと必死でした。
他人に嫌われることを受け入れるまでには時間がかかりましたが、ソーシャルメディアが発達したおかげで、有名人や偉人と呼ばれるような人でさえも、誰かしらに必ず批判されていることがわかって、正直ホッとしました。
何をやっても、叩く人は一定数いるんですよね。そして、嫌われないように生きることは、もう諦めました。
自分に集中する大切さ
嫌われたままでは幸せになれないと思うでしょうか? でも、ずっとあなたを嫌い続けるほどに、あなたに関心がある人はそうはいないものです。
自分が何をしてどう生きようが、誰もそれほど関心はないのです。一時的に批判をされることはあっても、この先も永遠に嫌われ続けることなどないでしょう。他人の人生に踏み込んで、相手を傷つけるようなことさえしなければ、強く嫌われることはありません。
大切なのは、限られた人生の時間を、自分のために集中して使うことです。他人の人生に口を挟む暇なんて、そもそもないんです。
嫌われたくないと弱音を吐く勇気
偉そうなことを言いましたが、今でも他人の評価や言動が気になります。ただ、気を付けているのは、自分の感情を最優先にすることです。
気を付けないと、また以前の自分に戻りそうなくらい脆い決意ですが、「他人の目を気にして嫌われているかどうかなんて気にならない」とうそぶくのは、また他人の目を気にすることになりますから。
手始めに、他人に嘘をつかないこと、を意識してみましょう。簡単ではありませんが、自分に正直に生きるために、価値はあると思いますよ。
参考:『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』 ダイヤモンド社
情報提供元: ANGIE