皆さま、あけましておめでとうございます! 今日は2017年の始まりの日ですね。
さて、1月1~5日は第六十六候「雪下麦出ずる」(ゆきわたりてむぎいずる)。真っ白な雪の下で、麦が芽を出し始める時期です。麦は秋に発芽して厳しい冬を越え、翌年に実を結ぶ、越年草(えつねんそう)でもあります。
私たちも、麦のように季節をたくましく乗り越え、実のなる一年を過ごせるよう、初詣に行きましょう。何事も最初が肝心ですから、神さまの力をお借りして、福あふれる一年になるよう正しい参拝法をご紹介します。
七十二候とは?
時間に追われて生きることに疲れたら、ひと休みしませんか? 流れゆく季節の「気配」や「きざし」を感じて、自然とつながりましょう。自然はすべての人に贈られた「宝物」。季節を感じる暮らしは、あなたの心を癒し、元気にしてくれるでしょう。
季節は「春夏秋冬」の4つだけではありません。日本には旧暦で72もの豊かな季節があります。およそ15日ごとに「立夏(りっか)」「小満(しょうまん)」と、季節の名前がつけられた「二十四節気」。それをさらに5日ごとに区切ったのが「七十二候」です。
「蛙始めて鳴く(かえるはじめてなく)」「蚯蚓出ずる(みみずいずる)」……七十二候の呼び名は、まるでひと言で書かれた日記のよう。そこに込められた思いに耳を澄ませてみると、聴こえてくるさまざまな声がありますよ。
初詣に出かける神社とは?
新年になって、お正月に初めて神社仏閣にお詣りする事を、「初詣」といいます。
新たな一年の幸せを祈り、破魔矢(はまや)、熊手などを授与していただいたり、絵馬に願い事を書いたり。本来初詣は、「産土神(うぶすながみ)」や、その年の恵方の方角にある神社を詣でる「恵方参り(えほうまいり)」が良いとされてきました。
「産土神(うぶすながみ)」とは、お宮参りや、七五三といった人生の節目節目で参拝している故郷の神社の事です。お正月、里帰りをなさる皆さんはぜひ、小さい頃から見守って下さっている神さまへ、新年のご挨拶に伺いましょう。
また、故郷から離れた場所で新年を迎えるという皆さんは、恵方参りに出かけましょう。恵方とは、「歳徳神(としとくじん)」という神さまがいらっしゃる方角の事。「歳徳神」とは陰陽道において、その年の福徳を司る神さまの事です。この歳徳神さまがいらっしゃる方角に向かって事を行えば、万事に良い結果が得られるのだとか。
今年の恵方は北北西です。「恵方参り」で天のパワーを授けていただきましょう。
正しい参拝で福を招き入れる
私たちは初詣を含め、人生の節目節目で神社へ参拝に訪れますよね。皆さんは、正式な参拝法をご存知でしょうか? 一度覚えてしまえば、難しい事はなにもありませんよ。
まず、鳥居は神聖な神域への門。鳥居をくぐるときは、軽く一礼しましょう。続いて、参道の真ん中は神さまの通り道。中央は歩かないよう注意しましょう。手水舎がある場合は、必ず浄め(きよめ)をします。
本殿の前に立ったら、まずは軽く一礼。鈴があれば、お賽銭箱にお賽銭を入れる前に鳴らしましょう。鈴の音は神さまへの合図となります。
それから拝礼を行うのですが、拝礼のお作法は「二礼二拍手一礼」です。なぜ二回お辞儀をして二回柏手を打つかといいますと、陰と陽の対をあらわすとともに、「二」という偶数を用いる事で、神々でなく人間が祈りに来た事を伝えるためだともいわれています。
神さまへのお願いも単に、「昇進できますように」といったお願いの仕方ではなく、「仕事もスキルアップして、より社会の役に立てますように」というように、自分への意識付けの意味でも、きちんとした目的を持って、具体的に願い事を唱えましょう。
ある神職の方から、「鈴を鳴らして柏手を打ったのち、ほんの少しで良いですから、なにも考えない『無』の時間をつくりましょう」というアドバイスをいただいた事があります。
願い事を唱える前の「無」の時間は、神さまを感じ、神さまと対話をする時間。新年、心を込めて、ゆったりとした気持ちで参拝を。2017年が、皆さまにとって福あふれる一年になりますように。
【参考】『くらしを楽しむ七十二候』広田千悦子/泰文堂、『日本人 数のしきたり』朝倉晴武/青春出版社、『神社のいろは』神社本庁/扶桑社
情報提供元: ANGIE