3月末、HTCが開発者向けに販売を開始したViveのアクセサリ、Vive Tracker。まだ発売されたばかりなのだが、大方の予想通り発売からそう時間が経たないうちに売り切れとなっている。VR関連機器はあまり供給量が多くないこともあり、人気製品が即完売するのはもはや見慣れた光景だ。


ユーザ目線では「買いたい人に行き渡るようにたくさん準備しておいてほしい」と思わないでもないのだが、売り切れは仕方のない面もある。VR機器の場合は販売数参考にできるような先例が少なく、需要が見えないので売れ行きが予測しにくいからだ。


加えて、需要が予測できても供給不足で対応できないこともある。PSVRの例がそうだ。生産力が足りなければ、発売を遅らせるか少数でも売り出すかの選択を迫られることになる。


Vive Trackerの場合はまだ開発者向けの販売なので、あまり数を生産していないことも想像できる。HTCのスポークスパーソンは、初回生産分の台数を明らかにしていない。


Vive Trackerの現状



Vive Trackerは品切れ状態になっているものの、販売そのものを停止しているわけではない。出荷がいつになるかははっきりしないが、販売は継続中だ。


HTCは早く在庫を用意できるように努力しているとのことなので、購入の手続きを済ませておけば第二期の生産分を手にできるのではないだろうか。もちろん、既に次の生産分も完売してしまっている可能性はあるが…。


一般ユーザ向けの販売は?


有望な開発者に向けてHTCがVive Trackerを先行提供していた先のプロジェクトとは異なり、現在はVive Trackerを有料で販売しているHTC。しかし、現時点ではあくまでも開発者を対象にして販売を続けている。


一般ユーザ向けにVive Trackerを発売する予定については年内としか発表されていない。一般のユーザに向けてVive Trackerが発売されるときには、対応するビッグタイトルが用意されるはずだ。現在はその準備中ということだろうか?


HTCがVive Trackerを提供したデベロッパーの作品から、Vive Tracker対応の目玉となるタイトルが選ばれるのかもしれない。そうだとすれば、一般ユーザ向けのリリースはまだ先になりそうだ。デベロッパーらがVive Trackerを受け取ったのが2月の初旬なので、まだまだ作品は未完成だろう。


実際に発売されるのは2017年の後半~年末(やはりホリデーシーズン?)になりそうなので、HTCも十分な在庫を用意できるのではないだろうか。


開発者をサポートするHTC


Vive Tracker本体の数は不足しているが、HTCはデベロッパーが彼らの作品を作り出すためのサポートを続けている。先日はかねてから予告されていたVive Trackerを使ってフルボディトラッキングを可能にするソースコードも公開された。


ボディトラッキングをViveで利用したいデベロッパーにとっては最高のサンプルだ。幸運にも開発者を支援するプログラムでHTCに選ばれた、あるいは初期生産分を入手できたデベロッパーが自分たちの作品にこの技術を取り入れていくだろう。


これまでは家庭用VRシステムで実現するのが難しかったユーザの全身、特に下半身の動きを操作に使うVRコンテンツも出てくるかもしれない。どのように使われるかは、世界中のデベロッパーの思いつき次第だ。


こうした開発者に対する援助が彼らのアイデアを作品にするための助けとなる。そして豊富な対応作品は、Vive Trackerの一般ユーザに向けた発売時にユーザを惹き付ける理由になる。


Vive Trackerを使ったVRタイトルの開発者を支援するのは開発者のためでもあり、Vive Trackerのためでもある。


HTC Vive1周年



HTC Viveは、発売から1年を迎える。HTCはVRヘッドセットを製造するライバルとしてRiftOculus(Facebook)やPSVRのソニーと争いながらVR業界を拡大させてきた。もちろんSamsung Gear VRやGoogle Daydream ViewといったモバイルVRヘッドセットもライバルだ。


そんなHTCは最近、Vive用のアクセサリに力を入れているようだ。アイデア次第で利用法が広がるVive Tracker、VR体験の快適さをアップさせるVive Deluxe Audio Strap、そしてViveとPCとを無線接続するTPCastのワイヤレスアダプターも登場する。


ただVive本体を販売するのではなく、オプションによってその価値を高めていくのがHTCの戦略なのだろうか。ユーザが自分の望む機能を取捨選択でき、初期投資も抑えられる方法として「最低限の機能を持った本体とオプション品」という販売方式はVR機器に向いているかもしれない。


最新技術を全て詰め込めばVR体験は素晴らしいものになるだろうが、VRヘッドセット本体の価格も天井知らずに上がる。体験のハードルを下げるために本体はシンプルにして、別売オプションを用意するのは有効な手法だ。


 


参照元サイト名:UploadVR

URL:https://uploadvr.com/htc-sells-initial-batch-vive-trackers/





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情報提供元: VR Inside
記事名:「 Vive Trackerの初期生産分が早くも完売の人気