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同メディアは、背面に「HTC VIVE」と刻印されたスマホが映り込んだHTCのプロモーション動画が流出したことを報じた。ただ、同動画は信憑性に欠けるところがある。以下では、HTC製スマホの関する憶測、流出動画の出現、流出元の特定と順を追って顛末を明らかにしたうえで、一連の騒動から分かるHTCの今後の動向を示す。
HTCのスマホとVRにまつわる噂は、実は2016年2月にHT Creative Labs所属のDrew Bamfordの発言を発端とする。2016年2月と言えばまだVIVEがリリースされていない頃だが、同研究員は海外メディアTechCrunchのインタビューに対して、「HTCは(VIVE以外にも)さらなるVR製品に取り組んでいます、そして、その製品とはスマホビジネスとVRビジネスを統合するようなものです」、と答えたのだ。
スマホ市場が成熟して成長が鈍化しているなか、スマホの進化をリブートする機能としてVRを打ち出すというアイデアは十分に説得力がある。実際、SamsungはGear VRをリリースすることで、Galaxyシリーズをリブートし、ハードウェアを手がけていなかったGoogleがDaydream Viewという協力な援護を受けたGoogle Pixelをリリースしてモバイル型VRヘッドセットという市場が形成された。
だが、HTC製スマホがVRと合流するような動きは、2016年には見られなかった。
VR元年が終わり2017年になった1月8日、動画投稿サイトvimeoにHTC製スマホのプロモーション動画と思われるものが投稿された。動画の内容は、スマホのデザインをカスタマイズできるサービスに関するものだ。
投稿された動画は、すぐに削除されたものもYouTubeに転載され、即座に様々な憶測を呼んだ。
動画でもっとも注目されたのは、1分25秒から30秒あたりに映っているペールブルーのスマホだ。画面右側に映っているそのスマホの背面には「HTC VIVE」という刻印とVIVEのロゴが入っていたのだ。「HTC VIVE Phone」らしきスマホの存在は、すぐにtweetされ拡散した。
HTC 2017? pic.twitter.com/ppONWlT5Mr
—Evan Blass (@evleaks) 2017年1月8日
多くの憶測を惹起したリークtweetは、思わぬかたちで決着をみた。というのも、動画を流出した人物が特定されたからだ。
海外メディアAndroid Authorityによると、動画を流出させたのはShaun Sapersteinという人物で、同氏はHTCに雇われてプロモーション動画を作成し、疑惑のスマホは動画作成のために用意したコンセプトモデルだった、というのだ。
だがしかし、HTCがプロモーション動画の一部にコンセプトモデルとして「HTC VIVE Phone」を登場させようとしていたことそれ自体が、やはりVRに関わりのあるスマホを開発しているのではないか、と思わせるのである。言ってみれば、「火のないところに煙は立たない」のだ。
ちょうど来る2017年1月12日にHTCのプレス・カンファレンスが予定されている。「HTC VIVE Phone」の真相は、その日に明らかになるだろう。
「HTC VIVE Phone」が映った流出動画を報じたRoadtoVRの記事
http://www.roadtovr.com/htc-vive-mobile-phone-revealed-new-video-leak/
上記動画の流出元を報じたAndroid Authorityの記事
http://www.androidauthority.com/htc-vive-smartphone-video-take-good-grain-salt-741875/
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