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「VR消防訓練」は、2021年11月にリリースされたマンション居住者向けサービスで、IT及びエレクトロニクス業界のソリューションベンダーである理経社と、マンションから商業施設まで建物管理サービスなどを手掛ける大和ハウスグループの大和ライフネクスト社および横浜市が三者連携協定を締結し、「次世代型マンション防災コンテンツの共同研究開発」に取り組んだ結果生み出されたコンテンツで、大和ライフネクスト社が管理を受託するマンション管理組合向けに提供されています。
その特徴は、『消防法に則った訓練内容』の消防訓練に『いつでも、どこでも、何度でも参加可能』なことから、『マンション管理組合の負担が軽減する』というものです。
マンションの居住者には、自身のスマホなどからインターネット上のVR映像を視聴することで消防訓練に参加できることで、時間や場所の制約を受けないというメリットがあります。
また、マンション管理組合にとっても、消防訓練の開催時に必要となる”居住者への案内”から”参加者集計”、”実施後アンケート”といった一連の作業がコンテンツに含まれているため、負担が軽減されるというメリットがあります。
決まった時間に集合場所まで出向く必要があった従来の消防訓練に比較し、”参加世帯数が5倍”に増加した事例もあるなど、高い防災効果が期待できます。
2022年7月に大和ライフネクスト社は、同社が管理するマンションの居住者約4,000名に対してアンケートを実施しています。
そのアンケートの集計結果によると、マンションの消防訓練に
・参加したことがない:43%
・1回参加したことがあるが以降参加したことがない:16%
と回答した人を合わせると『約6割もの居住者が消防訓練にほとんど参加していない』という状況が浮かび上がってきました。
消防訓練に参加していないと回答した人を対象に、参加できない理由を尋ねたところ、『日程が合わない』と回答した人が実に半数を占めていたということです。
これらの結果を踏まえ、感染リスクに繋がる大人数の集合を必要とせず、日程や時間といった制約を受けない、『誰もが気軽に参加することができる消防訓練』として「VR消防訓練」は開発されています。
そのほかにも
・実際の消火器を使って消火訓練をしてみたい
・ベランダからの避難方法として避難ハッチを使ってみたい
・隔て板を実際に蹴破ってみたい
といった『実践的な訓練』を求める声が多数寄せられたものの、実際に『実践的な訓練』を実施するためには
・場所の手配
・居住者との調整
・ベランダの隔て板や消火器といった消耗品の準備費用
など、様々なハードルがあることから、実施が難しいという現状があります。
その問題点を解決するため、「VR消防訓練」に追加する新コンテンツが開発されることとなりました。
今回追加されるコンテンツは
・消火器の使い方
・ベランダからの避難方法
・屋内消火栓の使い方
・移動式粉末消火設備の使い方
・防火戸の扱い方
という『マンションならではの消防設備とその使い方』に特化しています。
理経社と大和ライフネクスト社では、実際に訓練を行うことが難しい内容でも、VR映像を活用し臨場感のある体験をすることで、居住者一人ひとりの自助力向上に寄与することを期待しているとしています。
理経社、大和ライフネクスト社、横浜市が協定を締結し開発したマンション防災の新しいカタチ「VR消防訓練」に、マンションならではの消防設備に特化した新コンテンツが追加され、今月より提供開始されています。
『今、火災がおきたらどう対応するか?』は、予備知識の有無が生死を分ける重大な問題なので、常に意識していたいニュースですね。
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