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Classmate(クラスメイト)社は、フィリピンオンライン留学・国際交流などのオンライン教育事業を運営する企業で、同社によると、全世界で猛威をふるう新型コロナウィルスによる感染症により、海外留学や国際交流ができていないのが現状だということです。
このような状況は、羽衣国際大学で学ぶ学生たちも例外ではなく、2020年以降に予定していた海外留学が全て中止になり、今だに再開のめどが立たない状況となっており、そうした背景から2020年の夏休みより、Classmate社が2DVR空間に構築した語学学校に、羽衣国際大の学生たちが自宅や学校の教室からアクセスして、
・フィリピン人講師によるマンツーマンレッスン
・ライブスタディーツアーを活用した現地の町並み見学や英語での街頭インタビュー
・フィリピン現地の大学生とオンラインで国際交流
など、安心・安全に国際交流を実施する方策がとられています。
そこで今回は、2DVR空間をよりリアルに感じることができる3D仮想空間(メタバース)内に変更することによる影響を調べる目的で、実証実験が実施されることとなりました。
今回の実証実験は、学生たちが3D仮想空間メタバース内に用意されたClassmateのバーチャル会議室に入り、フィリピンにいる英語講師によるライブVR英会話レッスンを受講するという流れで2021年12月17日(金)に実施されました。
機材にはMeta社のバーチャル会議アプリ「Horizon Workrooms」とバーチャルリアリティ用デバイス「Meta Quest 2」が採用されています。
今回採用された「Meta Quest 2」は、従来のビデオ会議システムと比較し、”内蔵している音声の品質が非常に高い”ことと、”音声の遅延が短い”ことから、『通話中の違和感を全く感じさせない』という特徴があります。
また、会議室内では”立体音響システム”を使用することで『声が相手がいる方向から聞こえてくる』ため、メタバース内でありながら、リアルの空間で会話しているのと近い感覚を体感したという声が寄せられています。
今回のVRライブ英会話レッスンでは、先生も生徒もアバターとなって参加していて、”対面の英語レッスンやオンライン英会話より緊張感が少なく先生もアバターで親しみやすく話しやすい!”という感想も寄せられています。
大学の共通教育開発センターから参加した職員(2名)も、
”生徒達は、普段の授業と違い英語を積極的に話をしている”
と手ごたえを感じた様子で語っています。
ハンドトラッキング技術を活用することで、「コントローラー無しで手を動かすこと」ができるため、”うなずく”ことや、”身振り手振りで表現する”ことも可能になっています。
またメタバース内では、従来のビデオ会議システムとは異なり、”お互い目と目でアイコンタクトがしっかりできる”ため、リアルに近い『非言語コミュニケーション』での対話も行われています。
ここで使用されたバーチャル会議室内には、バーチャルホワイトボードが設置され、コントローラーをひっくり返してペンのように書くことができます。
バーチャルホワイトボードはパソコンとの連動もできるので、”パワーポイント資料”、”英語教材”、”写真”などを張り付ける事もできます。
またバーチャル会議室の室内は、3種類の座席レイアウトが用意されており、
・プレゼンテーションするための座席レイアウト
・ディスカッションしやすいレイアウト
などといった目的により変更できるようになっています。
羽衣国際大学では、今後も少人数グループでの『プレゼンテーションやディスカッションなどの発信力強化のための練習』に3D仮想空間メタバースでのVRライブ英会話レッスンを使用していく事が検討されています。
またClassmate社でも、アフターコロナを見据えて、留学が再開した際にオンラインとリアルの良さを組み合わせたハイブリット留学の提供を目指しています。
留学前からオンラインで英会話レッスンや国際交流で事前準備を進めることで、実際に現地に留学した際の学習効果を高めたり、現地での体験アクティビティの時間を増やす効果も期待されています。
Classmate社と羽衣国際大学が共同で、3D仮想空間メタバースを活用したVRライブ英会話レッスンの実証実験を実施した事を発表しました。
コロナ禍の現在、留学などの国際交流は停止を余儀なくされていますが、安心安全な国際交流として、また、留学が再開できた際の事前準備として3D仮想空間メタバースでのオンラインレッスンを活用することが模索されています。
コロナに負けず、学びをあきらめないというニュースは、学生のみならず社会にとっても明るいニュースですね。
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