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奥村組技術研究所では、免震技術の開発やICTやロボット、i-Construction、BIMの活用による設計・施工業務の効率化・省力化など様々な研究が行われていて、年間を通じて各種実験のための増改築工事が予定されています。
増改築等の建設工事では作業の手戻りを減らすために、先にモックアップを作成してから施工検討が行われています。
これには、
・現実に近い素材を活用し実物大で再現する「実寸大モックアップ」、
・縮尺を変更し3Dプリンター等で再現する「縮尺版モックアップ」
の2通りのやり方がありますが、それぞれに次のような課題があります。
・モックアップ作成のコストが高い
・施工検討期間の保管場所の確保が困難
・検討後に産業廃棄になる
・サイズが小さいためにモックアップ作成が困難
・実物大ではないが故の手戻りが発生する
これらの課題を解決するために、今回バーチャル上でモックアップを再現し施工検討を行うことができる「メタバース技術研究所」が構築されました。
メタバース上のVRシミュレーションを通して各種実験のための増改築工事の検討精度を向上させ、設計・施工工数の削減を実現することが可能になります。
本技術研究所の既存の維持管理BIMモデルを活用し、Synamon社のVRサービス「NEUTRANS(ニュートランス)」内のバーチャル空間上に技術研究所が再現されました。
今回は7棟ある施設の中から室内環境実験棟の室内環境実験室におけるVRシミュレーションが実施されています。
この室内環境実験室では、特定の日射条件におけるオフィスなどの室内環境の快適性や省エネルギー性などの検証を行うため、4つの異なる条件の居室が再現できる仕様となっています。
あらゆる条件の再現にあたり、内部のアルミサッシ増設・外部のアルミルーバー増設等の改修工事も行われますが、この改修工事のBIMモデルを作製し、BIMモデルにおける仮想環境シミュレーションとともに、バーチャル空間における実験内容の確認や設計・施工検討を行うことで、実験の検討精度を向上させ、設計・施工工数の削減を図ることが可能です。
VR上にモックアップを再現することで、実寸大スケールで様々な角度の施工検討ができるため、手戻り発生の減少につながります。
BIM、i-Constructionなどの既存データを活用することでシームレスにVR上に3Dモデルを配置することができ、コストや工数をかけずに施工検討が可能になります。
繰り返し実施される各種実験のための増改築工事について、VR空間上で設計・施工における関係者の合意形成をおこなうことで手戻りのない実験計画を進めることが可能です。
VR空間では実際の素材を必要としないため、産業廃棄物を減らすことができSDGs推進につながります。
「XRが当たり前の世界をつくる」をミッションに展開しているSynamon社と総合建設会社の奥村組が、「メタバース技術研究所」を構築しました。
BIMを活用したVRシミュレーションを通して工事の検討精度を向上させ、設計・施工工数の削減を目指します。
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