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VRゴーグルを装着すると目と目を合わせることができなくなるため、周囲の人から部分的に切り離されることになります。
そこで、ネイサン・マツダ氏が率いるチームはVRゴーグルを装着したままでも社会的なつながりを保つことができる技術を開発してきました。
チームが着目したのはFacebookが開発してきた、VRゴーグルを装着しながら外の世界を見ることができるパススルーテクノロジーです。
Facebookが「リバースパススルー」と呼ぶこのシステムでは、VRゴーグルの前面に配置された3Dディスプレイにユーザーの目と顔が表示されます。
ユーザーの実際の目を見るのではなく、視線追跡データを使用してユーザーの目の3Dモデルを表示し、それに応じてモデルを移動させます。
3Dモデルをより効果的に表示させるため、マイクロレンズアレイ-ライトフィールドディスプレイが採用されました。
これらのディスプレイは、さまざまなLCDピクセルからさまざまな方向に光を送るレンズの小さなグリッドを使用しており、外部ユーザーがさまざまな方向からディスプレイを見たときに自分の位置の正しい遠近感で見ることができます。
マツダ氏によると、このアイデアは複合現実環境で人間的なつながりを失わずに済む方法を考えるためにパススルー付きのQuestヘッドセットを装着して一日を過ごした後に思いついたものです。
自分は同僚の顔やオフィスの中を見ることができたのに、同僚は自分の顔を見ることができずアイコンタクトでのコミュニケーションができないということに気づきました。
そこで、「彼らも私の目を見られるようにする」というアイデアを実現すべく、過去2年間、リバースパススルーVRを開発してきました。
プロジェクトは、ユーザーの顔の平らな投影を表示する標準の2D画面から始まりましたが、Facebookによると「視覚的に不快で不自然な効果」をもたらすものだったそうです。
研究が進むにつれて、ヘッドセット前面の空間の正しい位置にユーザーの目と顔が表示されるため、3Dディスプレイの方がより良い方向であることが明らかになりました。
2019年にマツダ氏がFRLのチーフ研究者であるマイケル・アブラッシュ氏に2Dのリバース パススルーVRデバイスを初めて見せた時の反応は決して芳しいものではなかったそうです。
私の最初の反応は、それは一種の間抜けなアイデアであり、せいぜい目新しいものだったということでした。
しかし、多くの技術開発に携わってきたアブラッシュ氏は、真のイノベーションは素っ頓狂なアイデアから生まれることも理解していました。
最初のデモから約2年後、3Dディスプレイ技術と研究プロトタイプは大幅に進化し、
専用の光学
電子機器
ソフトウェア
およびより現実的な3D顔をキャプチャして描写するためのさまざまなサポート技術を備えるようになっています。
現在の3Dモデリングは少しラフに見えますが、FRLで行われているコーデックアバターの研究は、自然に見えるリアルタイムの表現の分野で効果的な表示ソリューションを提供する可能性があるとのことです。
最終的には、
バリフォーカル
ホログラフィックオプティクス
アイトラッキング
歪み補正
などのイノベーションなどが一体となった、コンパクトで軽量、終日着用可能なVRヘッドセットの作成を目指していくとしています。
Facebookの新しい技術開発レポートが明らかにされました。
VRゴーグルを装着したままでもアイコンタクトがとれるようになる「リバースパススルー技術」です。
特に日本人はノンバーバルなコミュニケーションにおいて目が果たす役割が大きいとされるので、日本のVRユーザーに大きな関心を呼びそうですね。
ただ、現時点では研究の途上のテクノロジーであるため、実際にOculus製品に実装される予定はありません。
このようなユニークなテクノロジーが生まれるFacebookの企業風土こそが、VR技術をリードしていく強みだと感じさせられます。
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