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ラティス社との協業第1弾は、4月12日(月)にラティス社からリリースされるXVL Studio VRオプション(XVL VR)の新バージョンで、HTCのVIVE商用向け「リモートレンダリングソリューション」をサポートする機能をβ版として提供が開始されます。
XVL VRでは、超軽量3Dフォーマット技術のXVLを用いることで、わざわざVR用のデータを準備することなく、大容量3Dでのデジタル検証ができるようになります。
実機を作成していない段階で、3Dを用いて組立性の検討を行い、フロントローディングを実現できるため、製造業での採用が拡大します。
従来のVRでの検証では、PCと接続したケーブルに躓く危険があり、安全のためケーブルを持ち歩く人員も必要となっており、そのことが製造業でのカジュアルなVRの導入を妨げる現状にありました。
HTC NIPPON社の「リモートレンダリングソリューション」では、VRヘッドセットがWi-Fiで接続されているためケーブルの必要はなく、ケーブルの長さに縛られることもなくなることで、従来と比較して安全、簡単、快適にVRを利用したデジタル検証を行うことが可能になります。
ラティス社との協業に関して、HTC NIPPON社代表取締役社長である児島全克氏は以下のコメントを寄せています。
新型コロナ禍において、製造業の製造領域においてもリモートワーク対応で、3Dデジタル検証が進みました。
しかしながら、作業時の姿勢や、工具が入るかといった作業性は、画面での確認が難しいため、VRを用いての検証が広がっております。
製造業での3Dデジタル検証領域で事実上のデファクトスタンダードとなっているXVLを用いた、XVL VRにおいてワイヤレスのRRがサポートされることで、より多くの製造業お客様に、より安全、簡単、快適なVR検証が広がることを期待しております。
引用元:プレスリリース
また、今回のXVL VRの新バージョンは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業(「Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業」の一環となる「サプライチェーンの迅速かつ柔軟な組換えに資するデジタル技術の開発支援 」)で得られた成果の一部が活用されています。
「XVL」(eXtensible Virtual world description Language)は、XML(eXtensible Markup Language)をベースとした超軽量3D表現として、ラティス社が提唱している表現形式です。
「XVL」を用いることで、3D CADなどで生成されたデータを数百分の一にまで軽量化することができます。
さらに、メモリが少ない環境で巨大な3Dデータを高速表示する技術の実装により、ネットワーク環境での3Dデータ共有に最適な形式となっています。
現在、干渉チェック機能を搭載したDMUや3Dビジュアル作業手順書を作成するソリューションが市場で高く評価されています。
ラティス社の「XVL」は世界中の自動車産業、航空機産業、電機産業等多くの製造業の企業で採用されています。
3Dデータの精度と構成情報を保ちながら、軽量にデータを表現できるという特徴から、デザインレビュー、機構シミュレーション、工程設計、作業指示、部品表、イラスト作成などの用途に活用されています。
製造業の大手では、3D CADの普及により蓄積された3Dデータの有効活用を目的に、XVL製品を全社規模で導入するケースが増加し、国内だけでなく、海外でも急速に普及が進んでいます。
HTC VIVEは、企業や消費者に真のVR体験を生み出すVRプラットフォームとエコシステムです。
VIVEエコシステムは、プレミアムVRハードウェア、ソフトウェア、コンテンツを中心に構築されています。
VIVEビジネスには、クラス最高のXRハードウェア、VIVEPORTプラットフォーム、アプリストアが含まれています。
ビジネス顧客向けには、VIVEエンタープライズソリューション、VIVE X:$100Mのビジネスアクセラレータ、VIVE STUDIOS、エンターテイメント、ゲーム、エンタープライズコンテンツスタジオ、そして文化的なイニシアティブであるVIVE ARTSなどが用意されています。
VIVE詳細:公式サイト
製造現場でのVRの活用は進んできていますが、従来の3D CADを活用しようとすると、データ容量が膨大になってしまうという難点がありました。
今回発表された2社の協同のシステムでは、両者の利点を活用することで製造業での3Dデジタル検証領域でのVRの利用が一層進みそうですね。
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