- 週間ランキング
VRは素晴らしいところのたくさんある技術だが、VR体験には欠けているものがたくさんあることもまた否定できない事実だ。
特に友人と一緒に体験を楽しむということに関して、VRは発展途上にあると言える。
OculusのNate Mitchellによれば、Oculusはその状況を改善するために動き続けている。
非VRのPC用オンラインゲームをするときであれば、ゲームをするためにまずパソコンを立ち上げる。
ソロプレイが可能な作品であればそこからいきなりゲームを起動してゲーム内の街やロビーでパーティのメンバーを募集しても良いし、Steamのフレンド機能や他のメッセンジャーアプリを使ってオンラインの友人を探すのも良いだろう。
もちろん、パソコンを使わずにスマートフォンで友人に連絡する方法もある。
PC用、コンソール用のゲームであればこうした方法で一緒に遊ぶメンバーを集めることができる。
だが、VRゲームでは面倒だ。
オンラインマルチプレイに対応したOculus Rift用のVRゲームは楽しいが、PC用ゲームのように一緒に遊ぶプレイヤーを探しにくいのが難点だ。
一度Riftを身に着けてしまうと、多くのユーザが使うメッセンジャーアプリやスマートフォンのテキストメッセージアプリを扱うのが難しくなる。
一度シングルプレイ用のVRゲームを始めてしまうとプレイ中にメッセージをチェックできないので、ゲームをしながら友人がオンラインになるのを待つというのもやりにくい。
アプリを確認するために毎回Riftを付け外しするのも面倒だ。
Oculusが2016年の終わりに発表したアプリ、『Oculus Rooms』『Oculus Parties』はこの問題のソリューションとなり得る。
これらのアプリは、特定のVRゲームを起動する前にアクセスする便利なロビーとして機能するものだ。友人と待ち合わせし、何をしたいかを相談して、VRゲームを起動するという流れをVRヘッドセットを外すことなく行える。
Oculus Roomsでは、アプリ内でちょっとしたゲームを起動できるという点も見逃せない。
友人がログインするまでヘッドセットを付けてただ待つのではなく、ロビーとなるVR空間でゲームを遊んだり、動画アプリを起動したりといったことが可能となっている。
Oculus Partiesでは、アプリを使ってVR空間でグローバルなボイスチャットが可能だ。ヘッドセットを付け外ししなくても、VR空間でやり取りができる。
シングルプレイヤーのVRゲームを起動していても会話に参加できるので、待っている間に暇になってしまうことも、ゲームをしていて友人のパーティに参加しそびれてしまうこともない。
Oculus RoomsとOculus PartiesはいずれもGear VR用のアプリとしてリリースされ、継続してアップデートが重ねられていた。
リリース時にOculusは「これらのアプリが2017年にはOculus Riftでも利用可能になる」とアナウンスしていたので、Riftユーザたちは盛り上がったものだ。
この二つのアプリがRiftで利用できるようになれば、マルチプレイに対応したVRゲームで友人と一緒に遊ぶのが簡単・便利になる。
しかし、Gear VR版RoomsやPartiesの登場から7ヶ月以上が経ってもこれらのアプリのRift版はリリースされていない。
OculusがRift版のRoomsやPartiesをリリースしないうちに、SteamVR Homeベータに同様の機能が登場してしまった。SteamVR Homeはベータ版なので完璧とは言えないが、OculusがRoomsやPartiesで提供しようとしている機能を有している。
Oculus Homeを利用するRiftユーザたちも、Oculus Homeがマルチプレイヤー機能を欠いていることに気づいている。
Road To VRは、いつこの点が改善されるのかについてOculusのNate Mitchellから話を聞く機会を得たという。
Road To VRが先週話を聞く機会があったNate Mitchellは、OculusのRiftに関する責任者であり、おそらくこの話題に関して最も確かな情報を持った人物だ。
彼はGear VRでRoomsアプリが成功しているという。
「私たちはGear VRにRoomsアプリを提供しており、このアプリに満足しています。
Roomsのチームはフル稼働を続けており、ほとんど毎月のようにメジャーなアップデートを行ってワクワクするような新機能を追加しています。
利用者が増加を続けていることも分かっているので、私たちはモバイルにRoomsアプリのアップデートを提供し続けています」
RiftユーザはGear VRだけでなくRiftにもRoomsアプリを提供してほしいと望んでいる。しかし、彼はプラットフォームを限っていることによるメリットもあると説明した。
「『なんでPC版を出さずにモバイル版に時間をかけているんだ?』と疑問を持たれている方もみえるようです。
現実的な問題として、チームには限界があります。
全ての機能をPC版と同時に開発するよりも、一つのプラットフォームに集中することで開発のスピードをはるかに速くすることができるのです」
RoomsアプリはUnityとAndroid独自の機能によって構築されているため、そのままPCに持ってくることはできない。
一方で、PartiesはまもなくRift版が登場するようだ。
Mitchellは、Roomsと逆にOculus Rift専用となっている『Facebook Spaces』がRoomsの代わりに使えることを指摘した。
VR空間で友人と雑談したりコミュニケーションを取るのが目的なら、Facebookが積極的に更新を続けるSpacesが目的に適っているというのだ。
確かにSpacesは先進的なコミュニケーションアプリではあるが、多くのRiftユーザがRoomsアプリを使いたい理由は友人とグダグダするためではなく、VRゲームの汎用ロビーとして使うためだろう。
アプリを起動したままボイスチャット可能なPartiesが登場すれば、汎用ロビーが存在しない不便さをいくらかでも埋めてくれるはずだ。
「ユーザは、『それで、いつRoomsはPCで使えるようになるんですか?』と尋ねます。
私たちは、(Roomsではなく)PartiesをまもなくPCに提供します」
MitchellはいつRoomsが利用可能になるかという質問に答えていないが、Partiesの登場によって多少なりともマルチプレイに対応したVRゲームを遊ぶ不便さが解消されるかもしれない。
Mitchellとの対話はこの後も続いたのだが、話題はRiftでのマルチプレイに関するものから逸れていってしまう。
Road To VRは「一緒にVRゲームを起動できるVRロビーとしての機能」について突っ込んだ質問をしているのだが、その答えは曖昧なものだった。
将来的にはRiftにもRoomsないしは同様のロビー機能を持ったアプリが登場するかもしれないが、現時点でRoomsチームが注力しているのはGear VRだ。
OculusがRiftでのマルチプレイ体験を改善するために動いているのは確かだ。しかし、すぐにRoomsアプリがRiftに対応する可能性は低い。
Riftユーザはしばらくの間、新しく登場するPartiesの機能を使ってマルチプレイの待ち合わせを行うことになりそうだ。
参照元サイト名:Road To VR
URL:https://www.roadtovr.com/oculus-nate-mitchell-on-the-fate-of-rooms-and-parties-on-rift/
Copyright ©2017 VR Inside All Rights Reserved.