- 週間ランキング
VRデバイスの用途はVRゲームだけではなく、VR映像を視聴するために使うユーザも多い。
360度映像を撮影できるカメラも増えてきているが、普段持ち歩くデバイスとは別に専用のカメラが必要な点は変わっていない。多くのVRユーザが所有するスマートフォンだけで360度映像が撮影できれば、VR映像コンテンツの数はさらに増えるだろう。
中国のProTrulyは昨年の12月、360度カメラを内蔵した世界初のスマートフォンを発売している。同社に360度カメラモジュールを提供するHT Opticalは、さらに小型化したモジュールの開発を進めているようだ。
360度の撮影が可能なVRカメラは大型かつ高価なデバイスだったが、最近では小型・軽量化が進んでいる。
もちろんプロフェッショナル向けの大型デバイスは存在するものの、価格を重視するならば100ドル以下で販売されているものもある。
ぱっと見てすぐに360度カメラだと分かるのは、サムスンの旧Gear 360のような丸型のデバイスだろう。
このような形状であれば内部のスペースが広いため、比較的大きな光学部品を搭載することが可能だ。見た目にも可愛らしいが、持ち運ぶことを考えると少々不便ではある。
最近発売されたものでも、特に価格の安い360度カメラではこの形状が採用されていることもある。
技術が成熟してパーツの小型化が可能になったためなのか、最近流行りなのがスティック型のモデルだ。
ボール型に比べると高さはあるが、本体が薄くなっているためカバンの中でもかさばらず、ポケットに入れて持ち運ぶのにも適している。
製品によってサイズは異なるが、概ねスマートフォンよりも一回り小さいくらいである。
本体の下部を持って撮影がしやすいことも、この形状の長所と言えるだろう。上記Gear 360を販売していたサムスンも、新型Gear 360ではこちらの形を取り入れている。
360度撮影が可能なカメラモジュールの小型化が進んだことで、スマートフォンに360度カメラを搭載することも可能となった。
世界で初めての360度カメラ搭載スマートフォンとなったのが、ProTruly Darlingである。
機能としては、確かに360度映像の撮影が可能だ。だが、カメラを搭載するために本体サイズが大きくなってしまっていることは否定できない。
縦に長くなっていることはもちろん、厚みも出てしまっている。縦18.1cm、厚さは8.9mmだ。
画面サイズの大きなiPhone 7 Plusでも、縦15.8cm、厚さが7.3mmである。厚みは許容できるとしても、長さ18cmの端末をポケットに入れればかなり邪魔になるだろう。
カメラモジュールをさらに小型化しないと、本体が大きくなることでスマートフォンとしての使い勝手が悪くなってしまう。
ProTrulyに360度カメラモジュールを提供するHT Opticalは、そのモジュールの改良を進めているようだ。
新モデルの画像はEngadgetでも掲載されていないが、厚さ7.6mmと薄型で360度カメラを搭載しているという。静止画ならば16メガピクセルでの撮影が可能だ。
これはスマートフォンに取り付けて使うInsta 360 Air(4.5メガピクセル)どころか、最新のGear 360(15メガピクセル)すらも上回る解像度だ。
カメラは1mmほど本体から出っ張る形になるが、大きく飛び出すわけではないので手に持って使うときやカバンに入れたときに邪魔になることもないだろう。
また、レンズには傷の付きにくいコーティングが施されるという。日常的に持ち歩くスマートフォンなので、レンズにすぐ傷が付いてしまっては困る。
このモデルは、今月30日に中国で発売されるようだ。発売されれば、続報が入るだろう。
HT Opticalはその名の通り光学機器のメーカーで、ソニーやオリンパスといったカメラのメーカーと取引を行ってきた。
近年はカメラを搭載した携帯電話の普及によってコンパクトカメラの需要が低下しているため、VRカメラや光学ズーム機能を搭載したスマートフォンケースといった製品に活路を見出している。
VRカメラを内蔵したスマートフォンがすぐに主流になることはないとしても、このまま小型化の流れが続いていけばいずれは一般化すると思われる。
現在は中国のメーカーが発売しているのみだが、人気のスマートフォンブランドを持つメーカーとHT Opticalとの協力が実現すれば一気に普及が進むことも考えられる。
参照元サイト名:Engadget
URL:https://www.engadget.com/2017/06/29/ht-optical-360-camera-module-smartphones/
Copyright ©2017 VR Inside All Rights Reserved.