カレンダーシェアアプリ『Time Tree』を運営する株式会社Time Treeは2024年9月1日に設立10周年を迎え、これを記念して「Time Tree設立10周年記念 メディア説明会」を都内で開催。

メディア説明会では『Time Tree』の紹介や今後の展望、AI隆盛の時代における今後のビジョンについて詳しく伺ってきました。

 

Time Treeのサービスは「共有とコミュニケーション」

株式会社Time Tree代表取締役社長 最高経営責任者CEO 深川泰斗氏より、会社とサービスについて紹介がありました。

Time Treeというサービスはカレンダーサービスだけではなく「共有とコミュニケーション」を前提にしているところが特徴。

予定を登録することで、1つのコミュニケーションとして誰でも簡単にグループでカレンダーを共有できる、そこで予定を通じたやり取りができるという特徴を持ったカレンダーサービスであり、コミュニケーションサービスとなっています。

ユーザー数は、2024年4月に5500万登録ユーザーを突破。

半分弱が日本で半分強が日本以外。海外で多く利用されている国はアメリカ、ドイツ、台湾、イギリス、韓国というように、とてもグローバルで様々な国で広がりをみせています。

そしてなんと、約1ヶ月で100万ユーザーが増えるといったサービスになっているそうで、

「グループで誰かと一緒に使われているので、ユーザーさんがユーザーさんを呼んでくれるっていう構造になっており、いまも成長が継続しております。」

と要因を挙げています。

 

事業領域

事業領域については、

共有カレンダーをお使いのユーザーに広告が消せたり、予定にファイル添付ができるといった個人課金や、Time Treeプレミアムというサブスクリプションプランを提供しているとし、

「一方で広告プラットフォーム機能は、公開カレンダーを使うユーザーさんに広告主の方が広告を掲載できるという広告事業となっており、公開カレンダーという新しいプラットフォームの開発、リリースにも力を入れている。」

とマネタイズポイントを説明しました。

カレンダーというのはとても特徴的であり、例えば七五三や卒業式、授業などといった『予定データ』がたくさん入っています。

「そうした予定を持っている方にだけこの広告を見てほしい」というターゲティングできる広告ソリューションや、そのデータのターゲティングを「Time Treeを使っていない他のサービスを見ている時」に広告掲載することができるという外部配信も提供しているそう。

そして3つ目が先ほどの話の中でも出ていた「公開カレンダー」について。

公開カレンダーは今年の4月に正式にリリースしたプラットフォーム。

発信する側からしてもSNSでどれだけ告知をしても情報はどんどん流れていってしまうため、Time Treeのユーザーも「どこかで見た気がするけどいつだっけな…。」「週末子連れで行けるイベントって何があったかな?」など、ピンポイントで探すことは難しいもの。

上手く情報を見つけられない、届けられないという課題に対し、提供し始めたのが『公開カレンダー』なのだと説明。

カレンダー形式でイベントの情報発信ができ、ユーザーは自分のカレンダーで自身の予定と重ねながら、対象のイベントを発見することができる新たなサービスです。

カレンダー形式でつくるイベント情報発信サイトとして、SNSのアカウントを作るようにカレンダーを作り、そこにイベントを登録していくとイベント情報の発信ができるそう。

すでに様々な企業や色々な方々が公開カレンダーを作成して発信を行なっているそうで、楽天のセール情報やABEMAのサッカーの試合予定、TBSのバレーボールネーションズリーグの試合予定、MAQUIAのコスメの新作発売日などが発信されていると紹介されていました。

 

カレンダービジネスの可能性について

「まず、カレンダーは行動にすごく近いもの。」であると主張し、

「今は情報がすごく多いし、どんどん流れていってる。そんな中でちゃんと覚えてもらえる、動いてもらえるという顧客コミュニケーションが可能であるというのが1つの特徴です。」

と紹介しました。

例として、セール情報などを掲載している公開カレンダーをフォローするユーザーにアンケートを取ったところ、カレンダーをきっかけにイベントやキャンペーンを知ったという方が約8割もいたそう。

そしてカレンダーをきっかけに「実際に購入した」という方が約6割。「以前より頻度が増えた」という方が約4割いるとのこと。

もう1つ、公開カレンダーではなくカレンダーの特徴を活かした広告についても紹介して頂きました。

日付を訴求するということができる「ターゲットデイ」というメニューがあり、新商品の発売日などのセール日を訴求したい企業は多いと感じていたそうで、そこに応えるサービスだと説明。

発売日を掲載し、その日付のマスにページデザイナーが作るキャッチーなアニメーションを添付することで、その特定の日が印象強く残るというものとなっています。

そして新たな展開領域として力を入れているのが『推し活』。

こちらは既にたくさんのクリエイターの方々に利用されているのだそう。

特にライブ活動を行う方やアイドルシーンでは使うのが当たり前となっているのだとか。

アイドルの方などが自分の「ライブ予定」「チケットの発売日」「生配信」などをカレンダーで発信することで、ファンの方もその予定に合わせやすく、情報の共有も分かりやすくなります。

さらに11月にリリース予定となる『公開カレンダーウィジェット』も現在開発中であると発表しました。

こちらはアイドルの方など公開カレンダーを作ったユーザが、自身のファンに向けて販売することができるウィジェット機能。

スマホのホーム画面に推しの画像が日めくりカレンダーのように日々変わっていき、その方の予定・イベントといったものが表示されるというもの。

クリエイターの方やアイドルの方が販売し、収益を得ることができるサービスとなっているそうです。

 

予定データはインサイトの宝庫

累計で100億件以上蓄積されており、今も毎月数億件ずつ増えていっている予定データ。

「この予定のデータというものが、凄まじいインサイトの宝庫だと考えております。」

と語る深川氏は、そのデータを元に様々な分析が可能であると話します。

コロナ禍により花火大会が減ったが、それが今はどれぐらい戻ってきたのか。その予定の入力のされ方は大体何日前から入力されるのか。お墓参りでは年代によってどれぐらい差が出るのか。

結婚式で人気のある時期として言われているジューンブライドとは本当にアジアだけなのか。

などなど、この他にも様々な分野について予定データから分析可能となっているそう。

カレンダーという媒体から広がりを見せ、『予定』というものから様々な切り口で世の中の動きを知ることができるのだと教えてくれました。

 

Time Treeの展望

ここからは代表取締役 最高戦略責任者 CSO 朴且鎮氏より、Time Treeの今後の展望について伺いました。

「大体10年毎に大きい転換が起きており、それぞれに新しいツールができている。通話からメール、SNSと変遷していき、次は“スケジューリング”の時代だと思っている。」

と主張。

さらに朴氏は「少なくともスケジューラーというものがこれから新しく評価される時代に来ているんじゃないか、という考え方をしています。」と自信を持って語ります。

 

スケジュールがこれからの時代を動かす

朴氏は「ネットで頼りにする情報はどんどん汚れていく。」と話し、

「ウェブサイトのフェイクニュースだったり、SNSや友達の話、今はもうメディアが友達になってたりする。こういう時代になってるのかなと。」

と現代社会を見る朴氏。

そして、より信頼できる情報を求めて人々はどんどんと取捨選択をしてきているのだそう。

人の行動や時間などと関係するものとして、「予定というものは信用できるのじゃないか」と提示。

そしてもう1つ、生成AIをベースにした新しい時代についても言及しました。

現在はデバイス優位性の時代であり、デバイスを主導している今の時代から、朴氏は次を見据えています。

「次はそこに乗っていくサービス、コンテンツの時代がくる。そしてデータはどうなっていくかという話に変わっていく。なのでスケジュールの時代は2年後にくると思ってます!」

と朴氏は確信している様子。

Time Treeには100億件の予定データがあることから、この活用方法として「サーチエンジン、サーチAIなどのようにスケジュールアプリに活かしていければ。」とコメントされていました。

レコメンドというところでいうと、キャンプや車を試乗するなど、特定の予定に対して最高の準備・最高の過ごし方を提案するようなサービスも行っているのだそう。

予定に関連するものを楽天やAmazonへ繋いだり、旅行であれば楽天トラベルやHIS、エアトリなどへ繋ぐなど、予定の一つ一つが経済的な効果をもたらすというところが1番重要だと主張。

「検索サービスで検索キーワードがお金になったように、ユーザーが登録してる予定がそのユーザーの次の行動のヒントだったりする。これをいかに活用してユーザーがより良い未来を選べるようにするというところが鍵となっています。」

とコメント。

例として、出産予定日を入れることで、子供が生まれた後に、この先3ヶ月間で新米パパがやることをカレンダーへレコメンドしたり、子供の誕生日を入れたら3年分の予防接種カレンダーができるなど、このような先回りして予測した予定を入れることがTime Treeでは可能なのだとか。

さらに朴氏は、

「将来的には“Time Treeに予定を登録しておいたら、他の関連することの予約もできていた”という状態をつくりたいと思っています。」

と展望を語りました。

 

新しいビジョンの制定

今回リニューアルされたTime Treeの新たなビジョンは『あの人と共に生きる未来へ誘おう』。

「Time Treeが誰のために誰を応援すべきか、誰の背中を押すべきかというのを考えた時に、それは誘う人である。」

と深川氏。

さらに、

「誘う人たちのアクションがあったからTime Treeがこれだけ成長できたんだなと思っている。」

と感謝を伝えます。

合わせて、社内メンバーの行動規範であるバリューも新たに3つ設定。

『誘われるのを待たない』
『自分が主体的にマナーシップを持って動こう』
『手元の目的を忘れる勇気を持とう』

面会を躊躇わないオープンなコミュニケーションとして上記3つのバリューが定められたそうです。

そして最後に、

「人々のポジティブな人生や日々の時間を世界に増やしていき、行動の起点となるようなプラットフォームにしたい。そして日本初のグローバルサービスになることを目指して挑戦していきたいと思っております。」

と宣言し、メディア説明会を締めくくりました。

 

2024年9月1日で10周年を迎えた「Time Tree」

コミュニケーションのため、そしてより便利な生活のために、Time Treeを使って自身や周囲の方々とのスケジューリングをしてみてはいかがでしょうか。

Time Tree:https://timetreeapp.com/intl/ja/corporate

情報提供元: 電脳反響定位(エコーロケーション)
記事名:「 Time Treeが2024年9月で10周年!新たなビジョン『あの人と共に生きる未来へ誘う』を選定