チームを束ねるリーダーにとって大切なもの、その1つが「ワクワク」です。チームのメンバーがワクワクするような夢を描き、周囲からの共感を集められる人こそリーダーに向いています。ワクワクするような夢とは。さらにワクワクが周囲に与える影響とは。ワクワクする夢について考えます。【週刊SUZUKI #100】

人々を魅了する夢は、多くの人が共感する内容であるのは言うまでもありません。チームをけん引するリーダーには、こうした夢を描くことが当然求められます。では共感される内容とは…。このときのヒントとなるキーワードが「ワクワク」です。つまり、共感される夢を描くには、周囲がワクワクするような内容にすることが大切です。

「ワクワク」や「楽しい」「面白い」といった夢は、人々に高揚感をもたらします。こうした気持ちが人に行動を起こさせる動機となります。「ワクワクする夢を一緒に叶えたい」「こんな楽しそうな夢なら、自分も何かに関わりたい」などの思いを呼び起こし、具体的な行動を後押しします。

これは仕事のゴールにも当てはまります。自分の仕事が最終的にどんなワクワクする世界を築くのか、どんな楽しい社会に変えるのかが仕事のモチベーションとなります。つまらないゴールなら仕事に取り組む前向きな姿勢を維持できないでしょう。遊びのような「ワクワク」や「楽しい」といったキーワードは、仕事を成功させるためにも重要な指標となるのです。

「ワクワク」は自発的な行動も生み出します。「周囲が面白いと言うから自分も」という受動的な行動ではなく、「自ら率先して」という能動的な行動を呼び起こします。多くの人が積極的に行動することでチームは前進し、成功を手繰り寄せられるようになるのです。リーダーはチームの積極性を培うためにも、「ワクワク」というキーワードを夢に持ち込むようにすべきです。

リーダーとして、周囲がワクワクするような夢を語っていますか。楽しいと思える仕事を周囲に割り振っていますか。こんなワクワクが溢れない限り、あなたの周りから人は遠ざかってしまいます。大きく壮大な夢を描くだけでは不十分です。多くの仲間を魅了するワクワク感があるかどうかが、夢の価値を決めるのです。誰もが思いつくような夢ではなく、誰も思いつかない奇抜で斬新な夢を描いてみてください。この発想が、ワクワクというキーワードを与えてくれます。これまでの経験にとらわれないアイデアが、ワクワクな夢を生み出すのです。

筆者プロフィール

鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。他に、日本オムニチャネル協会 会長、SBIホールディングス社外役員、東京都市大学特任教授を兼任。

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 リーダーの語る夢は人々をワクワクさせ、人々を動かす力がある。