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リーダーという役割を果たし通すために何より大切な「強い意志」。この意志を築き上げるにはどんな努力が必要か。どんな心構えを持つべきか。成功を呼び込むことができるリーダーの姿勢について考えます。【週刊SUZUKI #97】
チームをまとめ一丸となってゴールを目指すには、先導するリーダーの強い意志が必要です。「絶対成し遂げるんだ」「必ず成功させるんだ」という気持ちを全面に出すことで、一丸の推進体制を築けるようになります。
では意志を貫くためには何が必要か。このとき求められるのが、揺るぎない信念です。「これが正しい」「これが正義だ」と信じる自身の考えが、意志を支えます。確固たる信念がなければ、突発的なトラブルを理由に意志を曲げてしまうかもしれません。周囲からの強い提案に流されてしまうかもしれません。「必ずこの方法で成功するんだ」という強い信念を持ち、行動で示すことがチームの不安を払しょくします。不安をかき消すことでプロジェクトを加速させられるようになります。
周囲の雑音に惑わされない強さも必要です。「他の部署はみんな楽しそうだ」「うちの部署だけいつも大変な思いをしている」など、他の仲間や部署の仕事が気になってしまう人もいるでしょう。そんなときでも周囲に関係なくゴールに突き進めるようになるべきです。周囲の雑音を気にしないようメンバーを促し、チーム一丸となる大切さを訴えるべきです。そのためにはリーダー自身が強くなければなりません。信念を持つとともに、自らを常に厳しく律し、その時々の感情や気持ちに流されないよう自分をコントロールできるようになるべきです。
自分を律するためには、毎日の行動を振り返ってみるのがよいでしょう。「あのときの行動は適切だったのか」「メンバーへの指摘は本人のためになっているのか」など、一つひとつの言動を改めて評価します。このとき、「周囲に流された言動かどうか」を振り返ることが大切です。もし「周囲に言われたのを機に行動してしまった」と思うなら、信念が揺らいでいるかもしれません。自分を律しきれていないかもしれません。自分の言動を客観的に評価する時間が、あなたの信念や意志を培ってくれるのです。
あなたは自分が信じる信念を持っていますか。何が正しいかを周囲に惑わされずに決められますか。常に自分を律することができますか。これらの問いに「はい」と自信を持って答えられるようになったとき、真のリーダーになれるのです。
鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。他に、日本オムニチャネル協会 会長、SBIホールディングス社外役員、東京都市大学特任教授を兼任。