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人は過去を振り返って反省したり、未来に不安を覚えたりしがち。しかし、成長するためには過去や未来に固執すべきではありません。大切なのは「今」です。過去や未来より、「今」を大事にする姿勢について考えます。【週刊SUZUKI #86】
人が生涯を通じて成長し続けるためには何が必要か。その答えの1つが「今を生きる」です。将来に備えたり過去を振り返ったりすることにこだわらず、「今」だけに目を向けます。この姿勢こそが、成長するためには極めて重要です。
人は将来に対し、どうしても不安を抱いてしまうものです。「これからどうなるんだろう」「この先、きちんとキャリアアップできるだろうか」などと、先行きを不安視しがちです。こうした人の多くが、将来に向けて行動を起こしています。決して悪いことではありませんが、目の前にある課題から目を背け、先々の準備や対策に時間を割くケースが目立ちます。
一方、過去を振り返る人も少なくありません。「あのとき、こうしておけば良かった」「こんな選択なら今は違った」など、過去の行動を後悔するケースが大半です。過去を反省し、今に活かすのも悪いことではありません。しかし、過去ばかり悔やんでいても何も変わりません。
大切なのは「今」です。将来でも過去でもありません。今に全力を出し切るべきです。全力を傾けなければ、将来の不安も払拭できません。5年後の理想も絵空事に終わりかねません。
自分をどう成長させるのか、どんなキャリアを積むのか。これらを理想へ近づけるなら、今を変えるしかありません。この瞬間に集中し、全力を出し切ります。今に100%を注ぐことで、初めて未来は変わるのです。未来のことを気にし、80%や90%しか今に注がないのは間違いです。今だけを考え、100%を注がなければ人は絶対成長しません。
目の前の業務1つひとつに全力を注いでください。些細な業務をおろそかにしないでください。今後予定する事業ではなく、現在の事業をどう成功させるかに全力を注いでください。こうした姿勢で取り組めるかどうかが、あなたの未来を変えるのです。今に全力を注げるようになったとき、あなたは必ず成長し、未来の不安や懸念も払しょくできるようになるのです。
鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。他に、日本オムニチャネル協会 会長、SBIホールディングス社外役員、東京都市大学特任教授を兼任。