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夢や志は、どんな内容を描くかが重要なのは言うまでもありません。とはいえ、何が適切で何がふさわしくないのか…。適切な夢や志を描ける人は必ずしも多くありません。では、どんな内容を描くべきか。理想的な夢・志と、そんな夢・志がもたらす効果について考えます。【週刊SUZUKI #64】
夢や志は周囲を巻込み、不可能を可能にする力があります。しかし、気をつけなければならないのは、夢や志を描くときに決して自分本位になってはいけないことです。「お金持ちになりたい」や「もっと有名になりたい」などの自己中心的な考えを持ち込むのはもってのほかです。周囲の仲間が「その夢を叶えられたらすごいよね」「その志って素敵だね」などと思い、共感してくれる夢・志を描くことが大切です。
そもそも自分本位な考え方は周囲の仲間を遠ざけます。周囲への配慮が足りず、自分さえよければ構わないという思いが態度に現れ、孤立を招きます。孤立すれば仕事の成果を上げにくくなるし、何より自身の成長さえ妨げることになります。
周囲の仲間と良好な関係を築くには、利他的で周囲との協調を常に意識した姿勢が不可欠です。自身が描く夢や志もこうした意識を前提に考えるべきです。考えられなければ仲間との良好な関係は築けません。仲間からのサポートも得られません。仲間からの信頼ももちろん得られません。
周囲の仲間を思いやる気持ちを夢・志に詰め込んだとき、仲間は自ずとあなたの周りに集まってくるでしょう。周囲への配慮や思いやりが周囲との結束力を高めるのです。チームが一致団結すれば、仕事に良い結果さえもたらしてくれるようになります。一人では実現困難だった仕事も、仲間とともに成し遂げられるようになるのです。仲間が共感する夢・志は、不可能を可能にすることさえできるのです。
あなたが描く夢・志は自分のことばかり考えていませんか。自分の未来しか描いていませんか。家族や同僚、会社、さらには地域や社会が幸せになる未来をきちんと描いていますか…。
もし、あなたの描く夢・志が好ましくなければ、まずは周囲が喜ぶかどうか、称賛するかどうかを念頭に見直してみましょう。さらにその内容を膨らませ、より大きな夢・志を描くようにします。そんな夢・志を周囲に語れるようになったとき、ようやく自身の手で夢・志を手繰り寄せられるようになります。無謀と思えるような夢・志にも、「必ず叶える」という強い覚悟で臨めるようになるのです。
鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
1987年富士通に入社。SEとしてシステム開発・顧客サポートに従事。96年ソフトバンクに移り、営業、新規事業企画に携わる。 99年ネット書籍販売会社、イー・ショッピング・ブックス(現セブンネットショッピング)を設立し、代表取締役社長就任。 2006年セブン&アイHLDGS.グループ傘下に入る。14年セブン&アイHLDGS.執行役員CIO就任。 グループオムニチャネル戦略のリーダーを務める。15年同社取締役執行役員CIO就任。 16年同社を退社し、17年デジタルシフトウェーブを設立。同社代表取締役社長に就任。 デジタルシフトを目指す企業の支援を実施している。SBIホールディングス社外役員、日本オムニチャネル協会 会長、学校法人電子学園 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授を兼任