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近年、物流業界はドライバー不足や労働条件見直しによって、トラック輸送能力が低下している問題に直面しています。このような中、福山通運株式会社(以下、福山通運)がセイノーホールディングス株式会社(以下、セイノーHD)と株式会社T2(以下、T2)と共に行う自動運転トラックを用いた幹線輸送の実証実験は、期待される新たな出発点となります。
最近の「物流の2024年問題」として、トラックドライバーの労働時間見直しが影響を及ぼし、多くの業者が悩まされています。福山通運では持続可能な物流の実現を目指し、モーダルシフト推進や新技術導入を模索しています。中でも、自動運転技術はその革新性から大きな注目を集めています。福山通運は、セイノーHDと共にValue Chain Innovation Fundに参加し、自動運転技術の実用性を検証するための実証実験に取り組むことになりました。
この実証実験は2025年1月から6月に実施され、関東から関西を結ぶ高速道路で行われます。具体的には、貨物を積載した状態で自動運転を行い、高速道路上での運行能力を検証する予定です。福山通運とセイノーHDは荷主企業としての役割を果たし、T2は運輸オペレーションを構築します。このプロジェクトでは、ドライバーが車両に乗車した状態で行動し、安全性を確保しながら自動運転の実用性を評価します。
福山通運がこのプロジェクトに参加することで、自動運転技術の導入が一層進むことが期待されています。実証実験を通じ、物流業務における自動運転の具体的な活用モデルを確立し、次世代の物流形態を切り開く重要なステップとなるでしょう。自動運転の普及により、ドライバーの労働負担の軽減や効率化、さらに持続可能な社会への貢献も見込まれています。福山通運、セイノーHD、T2の取り組みによって、未来の物流環境が変わることに期待が寄せられています。
レポート/DXマガジン編集部香田