渋谷の街歩きが環境投資になる!? ポイントが地域の脱炭素を支える仕組みとは
渋谷区を舞台に、aoraのソーシャルファンディングアプリ「Pucre」とトークンPUCを使った実証第二弾が12月1日より開始します。歩く・チェックインで貯まるポイントがカーボンクレジットに直結し、脱炭素を「負担」ではなく「地域の経済効果」に変える挑戦です。
渋谷実証第二弾の狙いと仕組み
aora株式会社は、カーボンクレジットを裏付けとするトークン「PUC」を基盤に、日常行動とサステナブルファイナンスをつなぐ仕組みを渋谷区で検証します。今回の実証は、東京都のCityTechプログラム「Global CityTech Bridge」に採択され、渋谷区と連携して社会実装を目指すものです。期間は12月1日から翌年3月末ごろまでで、街を楽しみながら環境貢献ができる体験設計が特徴です。
参加者は、渋谷で歩いたり店舗にチェックインするだけでPucre上のポイント(PUC)が貯まります。貯まったPUCと同額分が脱炭素プロジェクトへの資金として充てられ、ポイント発行がそのままサステナブルファイナンスに直結する仕組みです。ポイントはカフェチケットやコスメなどの商品と交換が可能で、消費者にとって「お得」な報酬と環境投資を両立させます。
前回の実証では、参加者が煩わしさを感じずに友人・家族との時間が「健康・お得・環境貢献」につながることが確認されています。今回の第二弾では、ポイントを商品と交換できる環境を強化し、企業が集客や販売促進を通じてカーボンクレジットを調達できる「カーボンクレジット付きマーケット」の有効性を検証します。これにより企業の脱炭素コストを可能な限り地域の経済効果へ変換することが狙いです。
技術面では、Pucreはブロックチェーン等のWeb3技術とユーザー主権の認証を組み込み、あらゆる事業者サービスへの組み込みを想定しています。aoraはカーボンクレジットを細分化して流通経路を多様化するシステムを構築しており、特許出願中の技術も活用して持続可能なサステナブルファイナンスの実現を目指します。すでに自治体やスマートシティとの連携も進んでおり、渋谷での実証を契機に全国展開を視野に入れる意図が示されています。
遊びや日常の消費が直接的に環境投資につながる設計は、脱炭素の参加ハードルを下げる強力な手段です。企業の脱炭素予算を地域経済と結びつる試みは、自治体主導のゼロカーボンシティ実現に資する可能性があります。
詳しくは「aora株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部