Googleは米国時間12月4日、Google Workspace上でAIエージェントを設計、管理、共有できる新ツール「Google Workspace Studio」を発表しました。基盤にはGemini 3が用いられ、専門的なコーディングや複雑な構文を使わず、テンプレート選択やプロンプト入力だけで数分でカスタムエージェントを作成できるとしています。提供は今後数週間で法人向けに順次展開される見込みです。従来の自動化がルールや条件の設計に依存していたのに対し、自然言語による指示で業務フローを構築できる点が最大の特徴です。導入のハードルが下がることで、現場部門主導の業務自動化が広がることが期待されます。

AIエージェントはGoogle Workspaceに直接組み込まれ、Gmailのメール振り分け、カレンダー調整、タスク管理などの反復業務を代行します。エンドツーエンドの複雑なプロセスにも対応し、感情分析、コンテンツ生成、スマート通知、優先順位付けなど、従来のRPAやルールベースでは難しかったタスクも実行可能としています。たとえば「メールに自分宛の質問があれば返信用ラベルを付けてチャット通知」と指示するだけで自動化でき、Gemini 3が文脈理解を通じてアクションアイテムや請求書番号などの重要情報を抽出します。これにより一次対応のスピード向上と見落とし削減が見込めます。

作成したエージェントはGoogleドライブの共有に近い感覚でチームに配布でき、Gmail、ドライブ、ChatなどのWorkspaceアプリと連携して動作します。企業のポリシーや業務ルールに沿う処理を行いながら、ユーザーのトーンやスタイルに合わせたコンテンツ作成にも対応します。サイドパネルから稼働状況を可視化できるため、現場での運用と改善が回しやすくなります。さらに拡張性として、Asana、Jira、Mailchimp、Salesforceといった主要SaaSと接続でき、Apps Scriptを活用すれば社内ツールや独自モデル、Vertex AI経由の統合も可能です。既存の業務資産とシームレスに連携する柔軟性が評価ポイントになります。

実務への示唆として、まずは高頻度で手戻りが多いメール起点の業務やカレンダー調整を対象に、テンプレート活用とプロンプト設計の標準化を進めるのが有効です。次に、共有エージェントをチーム単位で配布してベストプラクティスを横展開し、サイドパネルの稼働ログをもとに精度改善を継続することが重要です。外部SaaSとの接続は権限設計と監査を先に定義し、Apps Scriptによる社内システム連携は段階的にスコープを広げると安全です。提供開始後は、Googleのアップデートに合わせてテンプレート群とプロンプトガイドを整備し、現場の自己完結度を高めていくと、効果が最大化します。

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 Google Workspace Studio登場で、あなたのチームは数分でAIエージェントをどこまで作れる?