警察庁は、銀行窓口の口座開設など対面取引の本人確認について、2027年4月からマイナンバーカードなどICチップ搭載証の読み取りを原則義務付ける方針を示しました。 非対面取引でも同時期から原則マイナンバーカード活用が義務化され、提示や券面画像送信のみの確認は原則認められなくなります。 背景には、運転免許証などの偽造横行と、それらが特殊詐欺の口座や携帯契約に悪用される実態があります。 偽造が難しいICチップの読取りで本人確認を厳格化し、マネーロンダリング対策の実効性を高めます。 警察庁で、犯収法施行規則の改正に向け5日から意見公募を行い、改正規則は2027年4月にも施行される見通しです。

対面では、金融機関などの事業者が専用アプリ等でICチップ情報を読み取ります。非対面では、利用者が自身のスマートフォンで読み取る運用が想定されています。対象となるICチップ搭載証はマイナンバーカードのほか、運転免許証、在留カードなどです。携帯電話の音声通話回線の契約についても、別法に基づき2026年4月から本人確認が厳格化されます。政府は4月の犯罪対策閣僚会議で、対面と非対面の本人確認をマイナンバーカードなどに一本化する方針を示しており、今回の制度設計はその具体化といえます。金融、クレジットカード、不動産など、犯収法の適用事業者は早期に対応計画を固めることが求められます。

実務対応としては、まずIC読取りフローの構築と検証、アプリや読取端末の調達計画、利用者向け案内の整備が急務です。非対面チャネルは、本人の端末読取りとデータ連携の手順、失敗時のリカバリー、代替手段の定義まで設計してください。個人情報保護の観点では、ICから取得するデータの最小化、保存期間とアクセス権限の明確化、ログ監査の実装が不可欠です。現場では、高齢者や在留外国人への多言語説明、対面サポートの強化により離脱や不満を抑えられます。特殊詐欺対策として、口座開設や携帯契約時のリスクシグナルと組み合わせた追加確認を導入すると効果的です。

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 運転免許証の時代は終わる?2027年、口座開設にマイナカードIC読取り必須化へ