京セラは静岡県沼津市沖で実施した実海域試験において、GaNレーザーを用いたプロトタイプの水中光無線通信システムで、深度6.7m・短距離15cmの条件下で750Mbpsの安定伝送を確認しました。淡水室内での1.8Gbps実験と合わせ、実用化に向けた重要な成果です。

実海域で確認された高速伝送と今後の狙い

京セラは2025年8月19日〜21日に静岡県沼津市沖で実海域試験を行い、GaN系青色半導体レーザーを用いた最大1Gbpsを目標とするプロトタイプで、短距離15cm・深度6.7mの条件下で750Mbpsの高速通信を安定して確認しました。試験では濁度、水温、クロロフィル濃度、塩分濃度、照度など海洋環境を詳細に測定し、太陽光下での外乱光や遮光カバーの有無による影響も評価しています。実海域での成果は、レーザーベースの方式が濁度や外乱光に対しても期待通りの伝送速度を維持できる可能性を示すものです。

京セラは室内淡水実験で2025年1月に次期プロトタイプで最大1.8Gbpsを記録しており今回の海域実験は屋外実環境での有効性を確認する重要なステップになりました。システムは光学部品設計や信号処理、誤り訂正などの技術を組み合わせた構成で、短距離での低遅延・大容量伝送を目指しています。今後は伝送距離の延伸や耐環境性の向上、複数端末の運用などを含む実用化開発を進め、2027年の実用化を目標に掲げています。なお、本実証実験は第43回日本ロボット学会学術講演会(RSJ2025)で発表された論文の成果を基盤とした実験速報です。

詳しくは「京セラ」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 水中通信1.8Gbpsは「まさか」の到達点!京セラが海洋ビジネスが変える?