ITエンジニア向け転職・就職・学習プラットフォームを運営するpaiza株式会社は、paiza登録エンジニア629名を対象に「生成AI時代のエンジニアのスキルと学習に関する意識調査(2025年版)」を実施しました(調査期間:2025年7月3日〜7月19日、インターネット調査)。結果は、生成AIの普及が進むなかでもITエンジニアの多くがプログラミングや本質的な知識の重要性を強く認識していることを示しています。

調査によれば、「生成AIの登場によりプログラミングスキル(要件定義・設計・成果物レビューができる力)は不要になったか」という問いに対し、74.1%が「思わない」と回答しました。これは、生成AIがコーディング支援や生産性向上に寄与する一方で、要件定義や設計、成果物の品質評価といった高度な作業は依然として人間の専門性を必要としていると現場が認識していることを示しています。

また、コンピュータサイエンスの基礎(OS、ネットワーク、アルゴリズム等)やソフトウェア工学の原理に関しては、29.5%が「より重要になった」、62.9%が「変わらず重要である」と回答し、合わせて92.4%が基礎知識の重要性を肯定しました。生成AIの出力は一般的なパターンに基づくため、業務要件への適合性や最適性を判断・修正する力が求められる点が背景にあります。

学習意欲の面でも、生成AIの登場はポジティブに作用しており、64.4%のエンジニアが「学習意欲が向上した」と回答しました。学習意欲が向上した理由としては、「生成AIを活用することで新しい技術や分野に挑戦しやすくなったから」が75.8%でトップ、次いで「生成AIによって新しい技術や可能性に触れ、知的好奇心が刺激されたから」が66.1%、「生成AIの生成したコードや情報を評価・改善するために、より深い知識やスキルが必要だと感じたから」が62.4%となっています。

プログラミング学習の開始時期については、大学生(19〜22歳)が33.3%で最多でしたが、社会人以降に学習を始めた割合も合計で約半に達しており、社会人からのキャリアチェンジが広く行われている実態が明らかになりました。さらに、学習開始から「一人前のITエンジニアになった」と感じるまでの期間については「1年〜2年程度」が28.8%で最多となり、適切な学習と実務経験によって比較的短期間で戦力化が可能であることが示されています。

paiza代表取締役社長/CEOの片山良平氏は、今回の調査結果を受けて、「生成AIの登場はプログラミングの終わりではなく、本質を理解した上で挑む新しい学びの時代の始まりである」とコメントしています。paizaは、学習サービス「paizaラーニング」で普遍的な知識の習得を支援し、オンラインでのプログラミングテスト「paizaスキルチェック」によってスキルを6段階で可視化する仕組みを提供しており、これらのサービスを通じてエンジニアの学習と実力の証明を後押ししているとしています。

paizaのサービス利用状況としては、2025年6月時点で登録者数が約89万人、paizaスキルチェックの総受験回数が3,220万回に達していることも公表されています。今回の調査は、生成AIを取り巻く現場の意識や学習行動がどのように変化しているかを示す重要な指標となっており、企業や教育機関が人材育成や採用戦略を検討する際の有益なデータとなると考えられます。

詳しくは「paiza株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部小松

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 AIでエンジニアは消えるのか、それとも進化するのか?生成AI時代に生き残るための“本質力”とは