日立システムズ、神奈川県、メドミライ、東京大学が連携し、KDBから抽出した約100万件のRWDを活用。生成AI搭載の分析基盤で、保健師の煩雑な集計や個別指導文の作成を大幅に短縮し、自治体の予防医療を変えようとしています。

ダッシュボードとAIエージェントで保健指導を「速く」「個別化」

本プロジェクトは、AMEDの公募事業の一環として実施されました。日立システムズとメドミライのMIRAMED®を軸に、東京大学と神奈川県が連携し、国保データベース(KDB)2,400万件のうち約100万件を研究用RWDとして抽出・活用しています。このデータを基に構築した分析基盤は、大きく「ダッシュボード」と「AIエージェント」の二機能を備えます。ダッシュボードは健診や医療データを属性や検査値、生活習慣などで絞り込み、グラフやフローチャートで自動可視化します。従来は表計算で16時間かかっていた集計が、同基盤ではわずか2分で完了したという効果測定も告されています。

AIエージェントは生成AIで個々の対象者データを理解し、リスク抽出や支援案、さらには対象者に送るメール文面の自動生成まで支援します。これにより、特定保健指導の計画立案から実際のコミュニケーション文作成までを一貫して効率化できます。基盤はAWS上で、医療情報の扱いに関する3省2ガイドラインに準拠した運用を前提としており、法令遵守の体制も整えられています。

今回の成果は、自治体の保健師が抱える人手不足や業務の属人化といった課題に直接応えるものです。データ駆動で個別化された保健指導が可能になれば、未病改善や健康寿命の延伸、ひいては医療費抑制という社会的効果にもつながる見込みです。日立システムズは今後、自治体や保険者、健診機関への展開に加え、企業の人事データと組み合わせた活用も視野に入れて実装を進めるとしています。

詳しくは「株式会社日立システムズ」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 【衝撃】生成AIが保健師の16時間を2分に短縮