澁澤倉庫株式会社は、2024年10月29日に、物流ロボティクスのサブスクリプションサービスを展開するプラスオートメーション株式会社のロボティクス自動倉庫「AirRob(エアロボ)」を国内で初めて導入しました。今回の導入は、同社の中期経営計画「2026」に掲げられた物流DX推進の一環として位置付けられており、国内の物流業界における革新が期待されています。本記事では、AirRobの特徴や導入による影響、そして物流DXの未来について詳しく探っていきます。

「AirRob」は、高度な自動化機能を搭載したロボティクス自動倉庫で、澁澤倉庫は松戸営業所第三倉庫での運用を開始します。この新しいシステムは、600トート/時間/ステーションという高スループットを実現しており、入出庫作業の省人化と高精度化を両立させています。これにより、アパレルやコスメといった多品種小ロット商品を扱うEC事業者にとって、効率的なフルフィルメント運用が可能となります。また、AirRobは高密度保管が可能で、これによりスペースコストを削減することができるため、経済的な運用も視野に入れた設計となっています。この新たな仕組みは、従来の物流業務における課題、つまり人手不足や作業の効率化を解決するための強力なツールとなるでしょう。

澁澤倉庫が「AirRob」を導入することで、物流業界におけるデジタル化(DX)の重要性がさらに高まります。物流DXは、効率化だけでなく、新たなビジネスモデルの創出、顧客満足度の向上にも寄与します。多品種小ロット物流を強化することで、顧客ニーズに対する柔軟な対応が可能となり、競争力の向上につながります。「中期経営計画2026」において、物流事業の収益力強化を重点戦略に掲げる澁澤倉庫は、機械化・自動化の面での投資を積極的に進めています。それにより、従業員が行っていた単純作業からの解放が進むことで、よりクリエイティブな業務へとシフトすることが可能となります。

物流DXを推進することによって、澁澤倉庫は顧客のサプライチェーン全体のイノベーションにも取り組んでいます。AirRobの導入により、顧客に対してより高い価値を提供し、競争優位性を確保することができるでしょう。具体的には、高精度の入出庫作業により誤出荷のリスクを低減し、顧客満足度の向上へとつなげます。このような取り組みを通じて、お客様のビジネス活動に新たな価値を創造し、長期的な信頼関係を築くことが目指されています。さらに、サステナブルな物流体制の構築も視野に入れ、CSR(企業の社会的責任)にも配慮した事業運営が求められる時代となっています。

澁澤倉庫株式会社による「AirRob」の導入は、物流業界における大きな転換点となるでしょう。効率化、省人化、高精度化を追求した新しいロジスティクスモデルが、ECフルフィルメント事業に革命的な変化をもたらすことが期待されます。今後も、澁澤倉庫は物流DXの推進や専門性の追求を通じて、顧客に新たな価値を提供し続けるでしょう。

執筆:香田雄大

情報提供元: DXマガジン_テクノロジー
記事名:「 澁澤倉庫が画期的な「AirRob」を活用した物流DXを加速