犬は『赤ちゃん言葉』と『普通のトーン』どちらが好みなの?

人間や一部の類人猿は生まれたばかりの赤ちゃんや幼児に対して、高いトーンや大げさな表現、繰り返し音などが含まれる「赤ちゃん言葉」を使って話しかけます。

このような話し方は、その言葉の母音を強調して聞こえやすくしたり、赤ちゃんが言葉を学ぶのを助けたりすると言われています。

しかし、人間は犬や猫に対しても赤ちゃん言葉を使うことがあります。犬や猫の場合は言葉を学んで私達人間と話すことがないというのに、不思議なことだとは思いませんか?

このような疑問に対し、それを解明するべくヨーロッパの大学などで2010年代に研究がおこなわれていたようです。

その結果、『赤ちゃん言葉を使ったり高めのトーンで話しかけたりする声の方が、普通のトーンの声より犬たちが好ましい反応をした』と言う結果が得られました。

またこれは、犬の興味がある言葉に限られ、高い声で犬に関係ない言葉を言った場合と抑揚のない声で犬の興味がある言葉を言った場合は反応が少ないという結果が得られたそうです。

つまり、犬は高めのトーンの声や赤ちゃん言葉と、自分たちの興味と関係ある言葉を結びつけて覚えているらしいのです。逆に、抑揚のない声の場合は、自分たちに話しかけられていないと思っているのでしょう。

犬は、はじめは人間の言葉を理解していません。一緒に暮らし、人の話す言葉を聞き慣れているうちに、特定の「自分に関係する言葉」「嬉しい言葉」などを覚えていきます。

学習の過程で、飼い主が犬の興味をひくために高いトーンで話しかけていた結果、犬はまず高いトーンの声に反応し、その後に続く言葉が自分に関係があるかどうか認識するようになっているのではないか、と研究者は考えたそうです。

そのため、子犬のうちから抑揚のない声で話しかけていたら、ひょっとするとこの限りではないことも起こるかもしれません。

しかし、人間は動物の幼体(赤ちゃんや子犬、子猫など)を見れば、大体高い声で赤ちゃん言葉を使ってしまうため、犬も同じように「赤ちゃん言葉」のような高い声に注意を引いてしまうようになっているのでしょう。

犬が好む声のトーンとは

先述した通り、犬は高い声のトーンにまず反応を示します。しかし好みかどうかで言えば、落ち着いた優しい声の方をより好むようです。

犬にとって高い声というのは「興味をひかれる声」です。しかし興味をひかれるということは、興奮しやすい声とも言えます。高い子供の声や女性の声には犬が良く反応しますが、同時にずっとその声で話しかけていると、興奮が高まって犬が大騒ぎになることがあるのです。

反対に、低い声は犬にとって警戒音と同じです。

低く唸っている声を出している犬は、怖い、危ないから気を付けろ、それ以上近寄るなというような意図をもっています。そのため、男性の低い声は犬にとってはこのように聞こえ、威嚇されていると感じることもあるようです。

犬にとって好ましい声は、優しい、穏やかな声です。

よく女性の声の方が良いとも言われますが、そうとは限らず、男性の声の場合も必要以上に大きく低くなければ好む犬も多いものです。そして、話すスピードも、ゆっくりはっきり話すほうが犬に伝わりやすい、と言われています。

まとめ

犬に対して、飼い主がついつい「赤ちゃん言葉」で話しかけてしまうのは、愛犬が子犬だった頃からの習慣と、そのような声で話しかけたほうが愛犬の反応が良くなるという学習の結果である可能性があります。

しかし、高い声は犬の興奮を誘うこともあるため、普段のリラックスタイムにおいては、優しく穏やかに話しかけることを心がけていきたいものですね。


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情報提供元: わんちゃんホンポ
記事名:「 犬は『赤ちゃん言葉』と『普通のトーン』どちらが好みなの? 声色によって変わる意外な研究結果とは