愛犬の命を守るために必要な『災害時の知識』4つ 避難生活での注意点から備えておくべき防災グッズまで解説
愛犬の命を守るために必要な災害時の知識
大地震が起きた際、愛犬と同行避難をしたものの「犬は下に置いてきてください」と言われ、津波にのまれて亡くなってしまった、という話が話題になりました。
災害時のペットの安全と命を守る対策として、「同行避難」という言葉をよく見聞きしますが、必ずしも愛犬と飼い主が同じ場所で一緒に過ごすことができる、というわけではありません。
愛犬の命を守るために必要な災害時の知識を深めるため、この記事を通して、改めて一緒に考えてほしいです。
1.「同行避難」と「同伴避難」の違い
環境省が推奨する「ペットの同行避難」とは、次のような目的があります。
- 飼い主と愛犬が離ればなれになることを防ぐこと
- 愛犬の負傷を防ぐこと
- 愛犬の衰弱を防ぐこと
そして、飼い主と離れ離れになった放浪する犬を保護することには、多大な労力と時間を要するため、それを避けることが目的であるとしています。
「同行避難」である場合、ケージやクレートに入っていたとしても、避難所の敷地内にも建物内にも犬を入れることができない場合があります。
- ニオイや鳴き声の問題
- 他人に危害を加えるかもしれない問題
- ペット同士のノミの繁殖や寄生の問題
- ペット同士の感染症の問題
- 人の犬アレルギーの問題
このような問題やトラブルが懸念されるからです。
お住まいの地域には、ペットと「同伴避難」が可能な避難所は指摘されているでしょうか。ハザードマップを確認し、分からない場合には役所に問い合わせるなどし、確認しておきましょう。
同伴避難できる避難所がない場合、どのように対応するのか、自家用車で愛犬と一緒に車内泊をするのか、県外の親戚の家に避難させてもらうのかなど、決めておくことが大切です。
2.日頃から鑑札または迷子札を身につけておくこと
災害時、飼い主と離ればなれになってしまった場合の備えとして、日頃から鑑札または迷子札を身につけておくことをおすすめします。
自宅の室内では、首輪もハーネスも外し、お留守番中であっても、何も身につけていない犬もいるのではないでしょうか。
災害が起きたとき、犬が家を飛び出してしまうかもしれません。飼い主が帰宅するまでの間、他人が保護してくれるかもしれません。
そんなとき、鑑札や迷子札を身につけていれば、飼い主と愛犬が再会できる可能性が高くなります。
首輪やハーネス、鑑札や迷子札は、自然と外れてしまうかもしれないという懸念から、最近では、災害時の備えとして、マイクロチップの挿入を検討される飼い主も増えているようです。
3.必要最低限のしつけをしておくこと
災害時の備えとして、災害グッズよりも、愛犬の命と安全を守るために欠かせないのが「しつけ」です。
避難生活を送る可能性があることから、他人や他犬、その他のペットに対して慣れておく必要があり、危害を加えることがないようにしておかなければなりません。
- ケージまたはクレートに入って過ごすことができる
- ペットシートで排泄することができる
- 「待て」「放せ(ちょうだい)」「戻れ(おいで)」が確実にできる
この3つは必須だと思います。
無駄吠えをする犬、興奮しやすい犬には、落ち着かせるための対処法も考えておかなければなりません。
4.狂犬病予防注射・混合ワクチンの接種
狂犬病予防注射と混合ワクチンの接種をしていない場合、避難所に入ることができなかったり、保護施設に預けることができなかったり、愛犬が安全な場所に避難することができないことがあります。
接種済であることの証明書は、避難グッズとして準備しておきましょう。
一緒に準備しておきたい避難グッズは、次の通りです。
- 移動のためのクレート、キャリーバッグ
- 首輪、ハーネス、リード(災害時用を準備すること、迷子札をつけておくこと)
- ドッグフード、飲料水、フードボウル(折り畳み式が便利)
- 持病のお薬
- タオル
- ペットシート、臭わない袋、ティッシュ
愛犬用の飲料水は、「軟水」を準備しましょう。硬水にはミネラルが豊富に含まれているため、過剰に摂取すると、尿中の成分が結晶化してしまう恐れがあります。
ストルバイト結晶ができやすい犬や尿路結石になったことがある犬は要注意です。
まとめ
愛犬の命を守るために必要な災害時の知識を4つ解説しました。
- 「同行避難」と「同伴避難」の違い
- 日頃から鑑札または迷子札を身につけておくこと
- 必要最低限のしつけをしておくこと
- 狂犬病予防注射混合ワクチンの接種
災害はいつやってくるか分からないため、備えが後回しになっていませんか。
頭の中では考えているけどまだ準備していない、という飼い主もいらっしゃるのではないでしょうか。
災害時、どこへ向かって逃げれば良いのか、どこに避難すれば良いのかなども知っておく必要があります。お住まいの自治体のハザードマップなどから必ず確認しておきましょう。
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