犬が醤油を摂取すると危険な理由

日本の食卓には欠かせない醤油は、大豆や麹に食塩を混ぜたものを発酵して作ります。混ぜる原料や製法によって風味が変わり、日本全国では様々な味の醤油が製造されています。

一般的に醤油の塩分量は12%~18%程度で、家庭料理に使われやすい「濃口醤油」とは、塩分量が16%程度のものを指すようです。つまり、醤油100gにはおよそ16gの食塩が含まれているということになります。

人間の場合、一日の塩分摂取量は男性で一日7.5g未満、女性で6.5g未満にするように目標値が定められていますが、それを考えると、お醤油はかなり塩分量が多い調味料なんですね。

そんな醤油ですが、犬が摂取してしまうとどのようなリスクがあるのでしょうか。

まず上記のように塩分量が多いため、犬がこれを多く摂取してしまうと体内の塩分濃度が上がってしまい、血圧が急上昇してしまいます。

また、塩分を多く摂取すると、それを排出するために腎臓に大きな負担がかかります。直接的なリスクはこちらでしょう。腎臓に障害が起こるとうまく体液の排出ができず、腹水、むくみなどが生じます。またそれによる下痢や食欲不振などから別の感染症にかかりやすくなるなどのリスクも高まります。
 
またもうひとつ、犬が醤油を摂取した場合に懸念されるリスクがあります。

それは、塩分を過剰に摂取することで血中のナトリウム濃度が異常に高くなる「高ナトリウム血症」を引き起こす場合があります。血液中のナトリウムという物質の濃度が高くなることによっておこる病気です。

軽度であれば水を大量に飲む、嘔吐する、下痢をする、という程度ですが、重い場合ですとふらつき、けいれんから神経症状を呈したり、脳内出血やくも膜下出血を起こす危険があります。

犬が醤油を舐めてしまった場合の対処法

前述した通り、醤油は100gあたり16g程度の塩分が含まれています。おおさじ一杯あたり約3gといったところでしょうか。人間でもそれをごくりと飲み込むのはなかなか大変な塩辛さです。

『犬は体重当たり2~3gの塩分を摂取すると塩中毒の症状を呈する』と言われているため、体重が3kg程度の小型犬の場合はおおさじで三倍もの醤油をがぶがぶと飲んでしまうと危険であると考えられます。

しかし、これは現実的ではありませんね。お醤油瓶を倒してこぼしてしまったものを舐められないかぎり、そこまで大量に犬が醤油を摂取する危険は少ないでしょう。

たとえば中型犬や大型犬の場合、体重もありますので、床にこぼれた一滴、二滴程度をなめたところで大きなトラブルにはなりません。

家庭内でちょっとこぼれてしまった醤油を舐めてしまったという場合は、体格にかかわらず、まずはおうちで様子を見ていてあげましょう。

愛犬に嘔吐、下痢などが見られた場合は、すみやかに動物病院に連れていきましょう。

また、愛犬が万が一こぼした醤油をたくさん舐めてしまった、つまみ食いで塩分が高いものを大量に食べてしまったという場合も、塩中毒や高ナトリウム血症のリスクを考え、早めにかかりつけの動物病院に連絡し、受診をすることをお勧めします。

まとめ

食卓に置いてあった醤油さしを犬が舐めてしまった、うっかり数滴こぼしてしまった醤油を犬に先に舐められてしまった、など、犬と生活をしているとそんなことが一回や二回起こることがあります。

塩分量を考えた場合、ちょっと舐めた程度であればそれほど大きな問題になりにくいため、様子を見ておくだけで良いでしょう。

人も犬も、塩分の摂りすぎには注意したいものですね。


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情報提供元: わんちゃんホンポ
記事名:「 犬が醤油を摂取すると危険な理由とは?起こり得るリスクや致死量、飲んでしまった場合の対処法まで