「『きのこの山』と『たけのこの里』、あなたはどっち派?」。2001年に開催された「第一回きのこたけのこ総選挙」をきっかけに、この論争は日本各地に飛び火していきました。

 この一大ムーブメントを日本だけでなく世界に拡大するため、11月17日に「KINOTAKE GLOBAL SUMMIT」が開催。開発秘話などが語られました。

 「KINOTAKE GLOBAL SUMMIT」では、最初に「きのたけ」の歴史を振り返る「Story Of KinoTake」の映像が流れた後、「きのこの山」と「たけのこの里」の開発者の1人で大阪工場の第14代工場長も務めた本多了さんが登壇。商品開発の背景や裏話などを披露しました。

 本多さんは明治でお菓子の研究をしている中で酵素を使用したクラッカーは表面がカリカリで中はシャリシャリで美味しいことを発見。これをなんとか商品化したかったそう。それまで「チョコベビー」や「アポロチョコ」などを生み出しており、小粒のチョコレートの成型は実績済み。そこにクラッカーをドッキングして生まれたのが「きのこの山」の原型だといいます。

 手でつまんでチョコレートを食べられる面白さ。見た目も「どう見てもきのこだった」と振り返ります。そこで当時、大阪にいた本多さんは「キノコチョコ」として東京の本社に提案。すると本社でも、みんなで分けて食べられるなど好評で開発が進んでいったのだとか。

 「きのこの山」の開発には、70~80人くらいを集めて意見や感想を言い合うグループインタビュー法も実施。その中でフタを開けると自然の風景を思い出し、里山に生えているきのこをみんなで食べあうイメージが生まれたと明かします。

 1974年にテスト販売を始めると、各支店からも絶賛。ちなみに、その頃には「たけのこの里」のイメージもできていたそうです。そして、1975年に「きのこの山」が発売され、その後「きのこの山」の弟分として「たけのこの里」も1979年に発売されました。

 本多さんは、お菓子は子供の夢であり夢を持たないと商品は作れないと語ります。「みなさん夢を持ってください」と会場に集まった人たちに呼びかけていました。

■ 世界にひろめるため「同時翻訳機能付きのこの山イヤホン」開発

 本多さんのトークショーの後は、「きのたけ」をどのように世界に発信していくかが発表されました。この第1弾が「浅草花やしき」とのコラボ。「きのこの山たけのこの里 Presents ASAKUSA NEXT ASIA FESTIVAL 2023」が、11月16日~18日まで浅草花劇場で開催されます。

 このイベントでは森崎ウィンさんをはじめ様々なアーティストが出演。新しいアジア発の音楽を世界に向けて発信します。「花やしき」の会場では、外国人向けに「グローバルverの党員証発行所」を設置。商品の試食やDOCCHI派投票もおこなわれるとのこと。

 会場では「たけのこ派」の森崎ウィンさんからメッセージ映像も。「きのたけをアジアに、いや世界全体に広げるために頑張っていきたいと思います!」と、力強く意気込んでいました。

 さらに「きのたけ」を世界に広めるための第2弾企画も発表されました。それは言葉の山を越えるため「同時翻訳機能付きのこの山イヤホン」の開発。これは元々7月に明治公式X(Twitter)の「架空のおもしろ雑貨」企画で紹介された、プロダクトクリエーターのミチルさん考案「きのこの山のワイヤレスイヤホン」です。

 この投稿には「欲しい!」「おもしろい!」という声が殺到。今回、商品化されることになりました。

 機能としては世界127言語に対応。自分の言葉を外国語(音声)に変換してくれる「スピーカーモード」と、イヤホンを1つずつ装着すると「同時翻訳モード」で双方の会話がリアルタイムで翻訳されます。もちろん普通のワイヤレスイヤホンとして音楽を聴いたりすることも可能。発売日などの詳細は後日発表されるとのことです。

 最後は株式会社明治グローバルカカオ事業本部の本部長・萩原さんによる、「KINOTAKE GLOBAL宣言」。「きのこの山」と「たけのこの里」は、「世界のみんなに、おいしく、おもしろくをひろげます」とコメント。

 さらに世界各国で「どっち派?」旋風を巻き起こす、「グローバル総選挙」を実施することも報告。「ますます進化する『きのたけ』に、ぜひ期待してください!」と呼び掛けていました。

取材協力:株式会社明治

(取材・撮影:佐藤圭亮)

明治が「KINOTAKE GLOBAL SUMMIT」開催!「きのこの山イヤホン」の開発決定 | Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 佐藤圭亮
情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 明治が「KINOTAKE GLOBAL SUMMIT」開催!「きのこの山イヤホン」の開発決定