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最近何かと話題となっている招待制の分散型SNS「Bluesky」。
UI(ユーザーインターフェイス)はほぼ「Twitter」なのですが、いったいこの「Bluesky」で何ができて何ができないのでしょうか。百聞は一見にしかずということでまずは触ってみました。
※注意:本稿に掲載している内容は2023年5月10日から14日にかけて調べた内容です。今後仕様が変わる可能性が大いにあるため、あくまで参考程度にお考えください。
「Bluesky」は、Twitterの共同創業者ジャック・ドーシーが立ち上げたプロジェクトです。もともとはTwitterのプロジェクトとして始動し、のちに独立したという経緯があります。
ちなみにその特徴にはTwitterが中央集権型なのに対し、Blueskyは中の仕組みが分散して運用される「分散型」というものがあります。さらにBlueskyの本来の目的はSNS運用ではなくその仕組みを構成する「プロトコル」作り。以降、詳しく説明したいところですが……本稿の目的はTwitterとBlueskyの比較なので、複雑すぎる説明はバッサリはしょります。
なお、現在は招待制となっており、参加するにはウエイティングリストに登録し運営側から招待の招待をうけるか、すでにユーザーとなっている人から招待をうけるしかありません。招待制だけに限って言えば、一昔前のSNS「ミクシィ」や音声SNS「クラブハウス」のような仕組みです。
ただ、イーロン・マスク氏に不満をいだいたユーザーが、ポスト「Twitter」として最も有力視しているサービスが「Bluesky」であることは間違いありません。そのため見た目はほぼ「Twitter」であり、その違いはほとんどわかりません。ただし微妙な違いはあります。
たとえば、左側のナビゲーションは微妙にボタンの内容が異なっていたりします。また、現状「アプリ版」のみのリリースで「Web版」はありません。
次に掲載する画像は、タイムラインの様子。左側のTwitterでは「おすすめ・フォロー中」が表示されているのに対し、「Bluesky」では「Following(フォロー中)・What’s Hot(おすすめ)」と逆になっているようです。
ちなみに「Bluesky」の対応言語はまだ英語のみのようです。ただし「Content Languages(コンテンツ言語)」という設定項目で「What’s Hotフィード(おすすめ)」に表示させるアカウントの言語は選べます。ここで「Japanese」を選んでおけば日本語で書かれた他の人の投稿が優先的に出てきます。
他人のプロフィールについては次の項目が用意されています。
▼Twitter(スマホ版画面)
リツイートは表示しない
トピックを表示
リストへ追加または削除
リストを表示
@~(相手のID)を共有する
@~(相手のID)をミュート
@~(相手のID)をブロック
@~(相手のID)を報告する
▼Bluesky
Share(シェア/相手のページをコピーできたり、メールや他のアプリでシェアできる)
Add to Lists(リストに追加/ミュートリスト※)
Mute Account(ミュート/設定すると解除用の「Unmute Account」に切り替わる)
Block Account(ブロック/設定すると解除用の「Unblock Account」に切り替わる)
Report Account(アカウント報告)
※記事準備中に追加された機能のため詳細な仕様については確認できていません。
ほぼほぼ同じような感じですが、若干設定できるメニューの数が異なります。Twitterでは「リツイートは表示しない」「トピックを表示」など細かい設定がありますが、Blueskyのほうはアカウントの「Share・Mute・Block・Report」とかなりシンプル。これから機能追加されていくのでしょうかね。
なお、ブロックした場合、Twitterではバナーやアイコンはそのまま表示されますが、Blueskyでは「ぼかしフィルター」がかけられる仕様になっていました。
設定についても確認すると、Twitterが「アカウント」「プライバシーと安全」など多くの設定項目があるのに対し、Blueskyの方はかなり寂しい状況。
ブロックしたりMute Account(ミュートアカウント)の確認ができたり、Block Account(ブロックアカウント)が確認できるというレベルです。先ほど紹介した「Content Languages(コンテンツ言語)」もここにあります。
ここに来てさらに大きな違いが出てきます。Twitterでよく使われる「ハッシュタグ」ですが、実はBlueskyでは使えません。リンクされず、単なる文字列として表示されます。残念。
ハッシュタグが使えないならば、メンションは使えるのか!?ご安心ください、メンションは使えます。メンション使えなければSNSとしての利用価値がないですからね。
また、DMについては今の所Blueskyでは実装されていません。しかしながらDMはどんなSNSでも利用する機能ですので、ゆくゆくは実装されるものと思われます。
Blueskyの特徴の一つに、「IDを自分のカスタムドメインを割り当てることが可能」というものがあります。ドメインとは、アドレスのことで「〜.jp」とか「.com」などです。
例えば「おたくま経済新聞」では「otakuma.net」というドメインを保有しているので、それをIDに割り当てることが可能となっております。
ドメインは基本、唯一無二の存在。つまり、このドメインがIDに設定されているということは、限りなく本人や公式である証拠となるのです。
Twitterでは認証バッジがその位置づけとなっていましたが、現在はTwitterBlueに加入し承認されれば誰でも取得できる状態となっており、「本人証明」という役割がはたせなくなっています。
一方、Blueskyが採用している「ドメイン制」は、より確実に本人である証として証明できます。
なぜなら、ドメイン管理者(契約者)でしかBlueskyの設定画面で登録することができないからです。
通常、普通にIDを取得する際は「○○○.bsky.social」となり、「○○○」の部分だけ自由に設定できます。ただし、よくある「なりすまし」の場合、大文字小文字を巧みに使い分けることも可能。それを回避するにはドメインを個人的に取得し、それを設定した方が最強の対策になるということです。
「おたくま経済新聞」は、「otakuma.net」のドメインを「さくらインターネット」で取得しています。次からは「さくらインターネット」での設定方法を簡単に紹介。
まず、設定画面を開き、「Change my handle」をタップし、「I have my own domein(私はドメインを保持しています)」のリンクをタップ。
すると、ドメイン管理画面(レコード追加)へ登録する情報が表示されます。これを適宜設定&コピペし、追加設定ができたことを確認して「Verify DNS Record」をタップ。
自身のドメイン管理画面にて、表示されている情報を登録。認証がうまくいくと、次回よりドメイン名でログインできるようになります。
【以下、さくらインターネット側での設定画面】
(2)Blueskyの画面に表示されている情報をそのまま設定
以上で設定完了となります。ということで、若干の知識が必要となりますが……世界でただ一つだけのBlusky IDを表示させることができるのです。企業など特に公式性を求める場合には、特に役立つ機能ではないでしょうか。Twitterがこれを採用したらどうころぶかわかりませんが……。
BlueskyがポストTwitterになれるか、という点については正直まだ機能不足という点を感じざるをえないため、難しいのかもしれません。
とはいえ本稿執筆中にも、着実に仕様は変わっており、途中で2件ほどキャプチャを撮り直す事態がありました。
そして、Twitterとの大きな違いとして、「分散型SNSプロトコル」ということになっていますが、現時点で利用者にとってはあまりその恩恵を、リアルに受けるような状況ではなさそう。これならば「Twitterでいいじゃん」ということになりそうな予感です。
ただし、Twitterは頻繁にダウンし、利用できないケースが多い中、分散型である「Bluesky」がここぞとばかりに力を発揮し、Twitterのライバルに成長する可能性はゼロではありません。
ただ……現時点では「招待制」&「アプリのみ」ということもあり、乗り換えるにはまだまだ敷居は高そう。はたしてBlueskyは、Twitterから覇権を奪うことはできるのでしょうか。
<参考>
BlueSky
※モザイクがかけられていない一般ユーザーについて:本稿ではわかりやすさを優先するためタイムライン上の画像には基本モザイクをかけていません。モザイクがかかってないユーザーには事前に連絡を行い、許可を得ています。
(たまちゃん)