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新商品の裏には多くの試作品があります。惜しくも採用されなかった試作品をTwitterに投稿しているのは、「名代富士そば」の公式Twitter。
投稿されている試作品は「なぜ、これが不採用に?」と思うものから「仕方がないか……」と納得してしまうユニークなものまで様々。そこで富士そばの担当者に取材してみました。
2月25日に「見るだけで楽しめる試作品をまとめました」と投稿した写真を見てみると、蕎麦の上に「南部せんべい」や「きりたんぽ」がのっていたり、蕎麦が「ほうとう」のようになっていたりと、バラエティーに富んだものばかり。
2月12日には「富士そばのスタッフがどれぐらいわんぱくなのかというと、これぐらい少年の心を持っています」とツイート。
そこには、鮭の身とイクラがのった「はらこ飯」のような蕎麦や、大根・卵・こんにゃくなどの「おでん」の具がのった蕎麦が。さらには焼きそばとカレーを合わせたものまで。もはや、蕎麦ではなくなっている……。たしかに富士そばにはご飯ものもありますが、これはわんぱくすぎる。
今回、話をうかがったのは、ダイタンイート株式会社の「富士そば」開発企画広報の担当者。
試作品の提案は不定期で、各店舗の店長が商品化を目指して提案するそうです。それをエリアマネージャーが形にする作業をおこなっているのだとか。
富士そば全体でどれくらいの数の試作品の提出があるかについては、「管理会社が分かれているため、全ては把握できておりません」と回答。これは把握できないほど数多くの試作品が作られているということを物語っています。
富士そばのFacebookでは、「47都道府県、試作品の旅」という企画もおこなっています。
2月10日には「今回は栃木県!」と、富士そば特製のタレを使用して卵でとじた「かんぴょうの卵とじ」を蕎麦にのせたり、紅生姜とマヨネーズが添えられた「ぎょうざ丼」を紹介。
当初は静岡県出身者が「静岡おでん蕎麦」を試作したりするなど、各県にゆかりのあるスタッフが発案していたそうです。しかし、そうそう都合良く出身者がいるわけではありません。そのため「今はダーツの旅状態です」と担当者。本社事務所内に日本地図を張り、ランダムで場所を選んでいるそうです。
ちなみに「47都道府県、試作品の旅」企画に関しては、自由な発想でチャレンジするようにと、「原価や作業効率は意識させておりません」とのこと。
この企画は2020年11月に開始され、現在までに約10品を試作品として提案。しかし、正式メニューとして採用されたものは残念ながらゼロだといいます。正式メニューへの道は想像以上に厳しいようです。
最後に「今までに印象に残っている試作品ベスト3」を教えてもらったところ、3位が「静岡おでんそば」で、2位が「きりたんぽ丼」。どちらも原価や食材の確保が難しく、惜しくも商品化には至らなかったのだとか。
そして1位は、愛知県豊橋市のご当地グルメでもある「豊橋カレーうどん」。こちらは4年ほど前に店舗限定で商品化もされたそうです。
今回、名前があがった全ての試作品を商品化してほしいと思ったのは記者だけではないはず。今後もどんな試作品が登場してくるのか楽しみです。
<記事化協力>
名代富士そば公式Twitter(@fujisobar)
名代富士そば公式Facebook
(佐藤圭亮)