さっきまでそこにあったものが無い。このような時に漫画などでは集中線を書いて表現することがあります。それをアクリルキーホルダーで作ったのが芸大生の八羽さん。

 Twitterに投稿すると1万4000件を超えるいいねを集め、「おもしろい!」と評判に。自身のネットショップで販売していましたが、現在は品切れ中となっています。

 正式名称は「こつぜんと消えたアレのキーホルダー」(税込880円)。適当にそのへんに立てるだけで、「もしかして、さっきまでここに何かあったのではないか」という気持ちになる商品です。

 Twitterに投稿された画像の中には卵の横に置かれているものもあり、「あれ?さっきまで卵あった?」と思わず錯覚してしまいます。

■ きっかけは大学の課題

 開発のきっかけを八羽さんにうかがうと、2022年の秋ごろに出された大学の課題とのこと。

 「小人と一緒に暮らしている気分になれる方法」を題材に小冊子を作った時、6つ紹介した方法のうちの1つが今回の「こつぜん」だったのだとか。

 「こつぜんと書いた紙を立てておけば、『小人がさっきまでそこにいたけど、少し目を離したすきにこつぜんと消えてしまった』気分になれるのではないか」というのがコンセプトだと説明します。

 八羽さんは「小人がもしいたら……」と思いをめぐらせた時、最初に頭に浮かんだのが「違う違う!本当にここに小人がさっきまでいたんだって!」というセリフだったそう。「その状況を表現するには……」と考えた結果、生まれたのが「こつぜん」のアイデアだったといいます。

■ 使用すると心が軽くなるのでオススメ!

 「こつぜんと消えたアレのキーホルダー」については、何かものを無くしたり忘れ物をした時、代わりに置いておくと「自分のせいではなく、勝手に消えたのでどうしようもないな」という気持ちになり、心が軽くなるのでオススメだと語ります。

 さらに部屋の中だけではなく、いろいろな場所で使用してほしかったので、ただのアクリルスタンドではなく、チェーンも付けたそう。

■ 今後は大きい「こつぜん」を作りたい

 今後は「大きいサイズを作りたい」と八羽さん。友達が多いほうではないので、人間ほどのサイズの「こつぜん」を作り、ツーショットを撮ったりしたいのだとか。

 他にも「現実味はないですが……」と前置きしつつも、非常に大きい「こつぜん」を作り、「建物が壊されて更地になると、そこに何が建っていたのか思い出せない現象」が起こった時、そこに置いてみたいと語ります。次々に「こつぜん」のアイデアがあふれてきて、今後の展開が楽しみです。

 ちなみに八羽さんはものをよく無くすことが多く、毎日のようにスマホやメガネ、リモコンなどが「こつぜん」と消えているそう。「こつぜんと消えたアレのキーホルダー」が一番必要なのは、もしかしたら作った本人かもしれないですね。

<記事化協力>
八羽さん(@aoiwa_88

(佐藤圭亮)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 「おもしろい!」と絶賛!ものが「こつぜん」と消える現象をアクスタで再現