人気ラーメン店「ラーメン横綱」。京都に本社を置く企業で、関西のみならず東海・関東にまで幅広く展開するチェーン店です。

 今回はその「ラーメン横綱」監修の「お水がいらない ラーメン横綱」という、妙なインスタント麺を見つけたので、どんなものか実際に作ってみました。

◼ ラーメン横綱とは

 「ラーメン横綱」は、京都吉祥院の屋台から生まれたラーメンチェーン。「ラーメン横綱」と描かれた巨大黄色看板が目を引き、連日多くの客が訪れています。

 スープは豚骨醤油ということもあり、そこそこコッテリ系。個人的には無料でトッピングできる「九条ネギ」を、たっぷりのせて食べるのが好みです。

◼ 水がいらないラーメン横綱ってどんなの?

 今回紹介する「お水がいらない ラーメン横綱」は、株式会社キンレイより販売されている商品です。調べてみるとかなり前から発売されているらしく、2014年に発表されたリニューアル発売時のプレスリリースを見つけることができました。その後、2018年にもリニューアル。さらにいくつかの賞やアンケートでは、常に高い評価を得ているようです。しらんかった……!

 シリーズからは「ラーメン横綱」のほか、「喜多方ラーメン坂内」「横浜家系ラーメン」なども販売されています。

 いわゆる「インスタント麺」なのですが、ジャンル的には「冷凍食品」。とはいえ、作る過程で本来必要な「水」が不要とはこれいかに。まさに謎。

 「ラーメン横綱」の味も気になりますが、「お水がいらない」というのはどのような仕組みなのか。うまくやらないと「焦げちゃうんじゃないの?」「味薄くなっちゃうんじゃないの?」など、非常に気になるので確かめてみます。

◼ 実際に作っていく!!

 パッケージ裏に作り方が書いてありますが、電子レンジを使うのでもなく、お湯を注ぐでもなく……嘘みたいだろ……本当にそのまま鍋に「ドボン」のようです。

 袋から取り出してみると、麺や具材などが「すべて一体化」。内容量は465g。内めんは160g。熱量は451kcalです。

仕組みとしては、ストレートのスープが凍っていて、その上に麺、具材が重なっているという「3層構造」。

 つまり「すべて一体化したラーメン」を、火にかけて「スープ」「具材」「麺」などを溶かして作るから「水で希釈する必要がない」=「水がいらない」ということのよう。当然ながら、別途粉末状のスープ等は一切ついていません。入っているのはこれだけ、潔すぎ。

 理屈はわかりましたが、実際やってみないとわかりません。まずこの「すべて一体化したラーメン」を鍋に入れ、火をかけていきます。この工程は初めて過ぎて、不安要素しかない。

 しばらくすると、湯気が出てきて「ジュウジュウ」と音がする。これが「焦げている?」のではないか、と心配になりました。しかし、すぐに「すべて一体化したラーメン」が溶け出し……徐々にラーメンらしくなってきました。

 溶ける間ずっとみていましたが、何とも不思議な工程。そうこうしているうちに「完成」。

■ 食べてみた

 肝心の「九条ネギ」は一応あるにはあるけど、ファンとしては物足りないところ。別に用意しておいた分を好みで追加してみました。

 入っているチャーシューもチェックすべく箸でつまむと、こちらは本家とおなじく薄切りタイプ。ただサイズ感は、本家よりもやや小さめ。それが2~3枚入っていました。

 では実際に食べていきます。少しコショウをトッピングして実食。

 うん、スープはまさに「ラーメン横綱」そのものです。麺も、普通の乾燥麺に比べ弾力があって美味しい。ただ、残念なのは、やはり九条ネギが足りないという点と、チャーシューをもう少し食べたい。つまり、全体的にボリュームが少ないというのが素直な感想です。

 そういう欲求が湧いてくるのですが、インスタントでここまで再現できるというのは、素晴らしいとしか言いようがありません。

 他社から発売されているカップラーメン版「ラーメン横綱」もありますが、味と再現性は「お水がいらない ラーメン横綱」の方。カップ麺と冷凍食品という差や価格差もあるので比べるのはどうか……とも思ったのですが、「味と再現性」だけでここは比較させてください。

 今回は「コンビニ」で発見しましたが、オンラインでも販売している模様。ということで、「お水がいらない ラーメン横綱」、お店で見つけたらチャンス!寄り切って勝ち越し決めちゃってください!(横綱なだけに)

<参考>
キンレイ株式会社「お水がいらない ラーメン横綱
キンレイ株式会社プレスリリース(2014年2月10日発表 / 2018年3月26日発表

(たまちゃん)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 どうなってんだ!?謎技術「お水がいらない ラーメン横綱」ってどんなの?実際に作ってみた