人間と同じように動物同士も相性があり、特に先住のペットがいて新たにペットが加わる際は、飼い主の側も相性の良し悪しに神経を使います。

 新たにやってきた子猫に対し、警戒心も露わに「シャー!」と威嚇していた先住猫の女の子。あれから1年経ち、大きくなった子猫をグルーミングする姿に、飼い主さんは嬉し泣きしそうになったといいます。

 白いスコティッシュフォールドの女の子、月ちゃんの暮らすお家に新しく子猫が加わったのは2021年のこと。月ちゃんと同じく白いスコティッシュフォールドの男の子は、しらたまくんと名付けられました。

 新入猫と先住猫を対面させる際は、ケンカなどトラブルが発生しないよう、ケージ越しに行うのが原則。また小さな子猫だったしらたまくんと月ちゃんも、しらたまくんがケージに入った状態で初対面しました。

 この時のことを飼い主さんは「しらたまは初対面の時だけシャーしただけでしたが、月ちゃんは1か月くらい、目が合うとシャーシャー言ってました」と振り返ります。月ちゃんからすると、飼い主さんとの平和な生活を壊す新たな脅威、と思っていたのかもしれません。

 しかし、月ちゃんも威嚇するだけではありませんでした。「その割には1日中しらたまのケージの前にいたり……」と飼い主さんが語るように、しらたまくんに興味はあった様子。

 どうやら月ちゃんは人見知りならぬ「猫見知り」気味だったようで、距離感をはかりかねていたようです。自分が慣れるまで、少々過剰反応してしまっていた模様。

 しらたまくんがケージを卒業し、月ちゃんと同じ空間で生活し始めると、双方の性格の違いが明らかになってきました。男の子と女の子ということもありますが、活動量が大違い。

 「しらたまはとにかくヤンチャで、1日中走り回って、疲れてもハァハァしながら遊んでるような子でした。同じ頃の月ちゃんは子猫の頃から大人っぽく、オモチャをちらつかせても10分くらい遊んですぐ寝ちゃってました」

 この当時は積極的なしらたまくん、月ちゃんに一緒に遊ぼうとアプローチすることも多かったそうですが、月ちゃんは寄ってくると逃げていたんだとか。月ちゃんにしてみると、ちょっとノリが合わなかったのかもしれませんね。

 しかし、人間も兄弟ができると性格に変化があるように、月ちゃんにも少しずつ変化の兆しが。飼い主さんと遊ぶ時「大人になった今の方がお転婆さんです」とのことですから、元気なしらたまくんに行動が影響されてきているようです。

 そしてついに。猫が親愛の情を示して行うグルーミングを、月ちゃんがしらたまくんにするようになったのでした。まさに歴史的な和解といったところでしょうか。

 これまで約1年、2匹のやりとりを見ていた飼い主さんは「嬉し泣きしそうでした(笑)。しらたまはいつも月ちゃんのことをグルーミングしていたのですが、月ちゃんからするようになったのは本当に最近のことなんです」と、長い道のりの果てに実現した光景に感銘を受けている様子。

 しらたまくんにグルーミングを許すという時点で、憎からず思うようになったという意思表示でもありますが、さらに親密度が上がったのでしょうね。月ちゃんから「かわいい弟」認定されたしらたまくん、これからもっと仲良くなれるといいですね。YouTubeチャンネル「【のほほんスコず】月としらたま」では、2匹の暮らしぶりが動画で楽しめますよ。

<記事化協力>
つきとしらたまさん(@wataneko_tsuki)

(咲村珠樹)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 初対面の「シャー!」から1年……仲良くなった猫たちに飼い主感涙