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ファンタジーの世界には、色々なアイテムがつきもの。現実世界とは違った趣の品物は、見て楽しむと同時に秘められたストーリーをも夢想したくなります。
風景が結晶化した「珪化森」や、様々な魔力を秘めた鉱物が光るランプなど、世界中を歩いて収集してきた雑貨、という設定で数々のアイテムを作っている「マジロラ魔法雑貨店」の店主、マジロラさんに作品についてうかがいました。
マジロラ(Magirora)という雑貨商が各地を旅し、収集した様々なアイテムが並んでいるという設定の「マジロラ魔法雑貨店」。ファンタジー世界を切り抜いたような作品の数々が揃っています。
マジロラの名は「マジック(Magic)」と「オーロラ(Aurora)」に由来するとのこと。「オーロラのような色味の揺らぎ、または玉虫色のような。それらの色は見る人の角度やその時の光の具合など絶妙に組み合わさった時にのみ、目にすることのできる色で、万人とって同じではない色味。そんな作品を作りたいと思ったからです」と、名前に込められた思いを教えていただきました。
この名前で創作活動を始めて、8年ほどになるといいます。「子どもの頃から絵を描いたり、物を作ったり、お菓子を作ったりと、作ることが好きでした。作ることをずっと楽しんできて、今は魔法雑貨をメインにしています」
ファンタジー世界の魔法というと、呪文の詠唱や特別な血筋、強大な力といったイメージがありますが、マジロラさんのアイテムは少し違い「気づかないだけで普段の生活に魔法は溢れている」がテーマ。
様々なアイテムが揃うお店、という形式は、幼い頃の経験がもとになっているのだとか。
「自然の中で遊んでいると『魔法みたい!』と思う生き物や景色がたくさんありました。雑貨と本で溢れる小さなお店を『魔法のお店だ!』と思い大好きでしたが、いつしかなくなりました。あの頃感じた魔法は今でも誰かのそばにずっとあって、気がつかなくなっているだけ。でもそれをふと感じられることは本当に幸せなこと、という気持ちを込めています」
アイテムのひとつ「珪化森」は、長い歳月人間が足を踏み入れなかった森で、木々の緑や木漏れ日、せせらぎといった空間そのものが結晶化したもの。結晶の中では時が止まり、美しい世界が永遠に続くタイムカプセルのような作品です。
見る人それぞれの色味が存在する、という意味では、様々な光る魔鉱石を使った「魔鉱石の灯火」が代表的なものかもしれません。光る色はどれもが微妙に違い、気に入った色の光に「いわゆる属性を想いおもいに描いていただけたら」とマジロラさんは語ります。
ナイフや斧といった、ファンタジー系のゲームに登場しそうなアイテムも。刃の部分はレジンで作られており、微妙な色の配合でそれぞれが異なる仕上がりになっています。
色々なものが入れられそうな瓶には、鳥や魚といった生き物のモチーフが使われています。こちらの装飾では金属を加工したり、粘土を使って造形したものもあるとのこと。
雑貨店の名の通り、多彩なアイテムが目を楽しませてくれますが、これは「ファンタジーの物語を自分の中で考えていて、そのお話に登場する地方や生き物がたくさんいて、お話が増えるたびに作品が増えた感じです」ということなんだとか。ちなみに、Twitterのユーザーアイコンになっているのは、これらの物語が記された本、ということだそうです。
ほかにも、羽をモチーフにしたペンダントトップやペーパーナイフも素敵なアイテム。モチーフをうかがうと「生命力を感じるもの」と明快です。
これらのアイテムはBOOTHにてネット通販されているほか、各種イベントや実際の雑貨店でも委託販売されています。これから参加予定のイベントでは、6月4日・5日の大阪「TREASURES of FANTASIA 2」、6月25日・26日の名古屋「クリエーターズマーケット」、そして7月9日〜31日には東京・自由が丘の雑貨店アランデル(Arundel)にて、個展「旅する魔法雑貨店」が開催されるとのことです。
<記事化協力>
マジロラ魔法雑貨店・マジロラさん(@magirora)
(咲村珠樹)