「『わかりやすいこと・やり過ぎないこと』をモットーに、組み上げたガンプラをSNSに投稿しています」と語るのは、モデラーのユウパさん。

 そんな自身のポリシーを反映させた「サイコフレームの光」に、多くのTwitterユーザーが魅入られています。

 この日、「サイコフレームの開発に成功した時のやつ」というコメントを添えつつ、動画を公開したユウパさん。無作為に置かれた工業用部品らしきものから、赤に橙に青に紫にと次々に発光している様子が、約10秒間映し出されています。

 これは「サイコフレーム」と呼ばれる、機動戦士ガンダムシリーズに登場する架空の素材をイメージしたもの。

 ユウパさんは、「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」に登場する「ユニコーンガンダム」に取り付けられたものを、当該機体のガンプラを用いてファンアート作品として“開発”。今回の動画は、肩や大腿といっ機体(ガンプラ)の各部位をバラして撮影したものなんです。

 思わず何度も見返してしまうほど“中毒性”を持った動画となっていますが、同時に抱くのが「これってどうやって光っているんだろう?」という疑問。ユウパさんには今回、製作にいたる経緯も含めて話をうかがいました。

 「蛍光塗料とブラックライト(UV紫外線ライト)を用いて再現しました。以前、『蛍光塗料の発光表現』について紹介しているモデラーの方を目にしまして、それに感化されて、『自分もやってみよう!』と思い立ったのがきっかけなんですよ」

 改めて動画を見てみると、パーツに向け、何やら光を当てているかのような様子がチラリ。どうやらこれがブラックライトのようです。蛍光塗料にこんな使い方があったとは……!

 「ただ、蛍光塗料は(ブラックライトの)波長が合っていないと、綺麗に光らないものでもあります。そのため、赤の蛍光塗料をマゼンタで調色し、それをエアブラシ塗装しました。さらにそこに、通販サイトで購入した『波長365ナノメートル』のブラックライトと合わせています。結果的にそれが上手くマッチし、今回の仕上がりと相成っています」

 ユウパさんの投稿動画には5万近い再生回数を記録するなど、多くのユーザーを魅了しましたが、自身のモデラー活動においても大きな影響を与えています。

 「今回の作品(サイコフレーム)は、『脱却』『殻破り』の効果にも期待して取り組んだものでした。ここ最近、『作風が陳腐化しているな』という思いがありまして、新しい表現を加えることにしたんです」

 ちなみにユウパさんは、既にかなりのモデリングスキルを有している方。Twitter・Instagram双方のフォロワー数は万を超え、時にガンプラ以外でも組み上げた作品投稿は、都度話題を呼びます。

 「あまり難しいことの出来ないアマチュアですよ。ただのプラモ好きです(笑)」と本人は自嘲されますが、本作の「サイコフレームの発光」を再現できたのも、そんなベースがあったからこそ。

 一方で、「新しい表現」を取り入れたことにより、従来の作品よりも深みが増したことも確か。今回取材にあたり、ユニコーンガンダムを組み上げた状態で発光した様子の画像も提供いただいていますが、それは「さらに出来るようになったかガンダム!」と唸るクオリティへ昇華されています。

 「次は、『覚醒した時のグリーンに光るサイコフレーム』に挑戦したいですね」

 一連の反響に対しても、ユウパさんは自身の飽くなき探求心を示されていました。

<記事化協力>
ユウパさん(Twitter:@yuupa00/Instagram:@yuupa_gunpla)

(向山純平)

情報提供元: おたくま経済新聞
記事名:「 蛍光塗料とブラックライトで伝えるサイコフレームの煌めきに胸がドキドキ