1.夢の中でつい…

猫は一日の間で約16時間眠ります。よく眠るのは、野生時代からの習性で、狩りのために体力を温存しておく必要があるからです。

猫の睡眠のサイクルは、人間のそれと基本的に変わりません。レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返します。ただ少し違うのは、レム睡眠が圧倒的に長いことです。ノンレム睡眠は、1回の睡眠時でわずか7分程度にとどまります。

猫が浅い眠りを繰り返すのは、緊急時に備えての対策です。たとえば、深く眠っていると、敵に襲われたとき、即座に対応できません。

うつらうつら程度にとどめておけば、パッと起きてすぐに逃げ出せます。いわば、浅い眠りは、サバイバルの心得です。

実は、人間と同じように、猫も夢を見ると考えられています。口まわりをムニムニさせたり、脚をピクピクさせたりするのは、身体は眠って、脳だけ起きている可能性があります。

夢の中で、美味しいごはんを食べたり、獲物を追っかけたりしているのかもしれません。

夢を見ながらの寝言に関しては、健康上、特別に配慮する必要はありません。どんな夢を見ているのだろう、と考えながら、微笑ましく見守ってあげてください。

2.記憶アルバムを整理中に…

睡眠は、記憶の整理に深く関係しています。人間を例に挙げると、学習した知識を覚えたり、逆に不快な出来事を忘れたりするのも、すべて睡眠中の「作用」です。

猫の場合も同様で、睡眠を通じて、日々、体験したさまざまな記憶を整理します。眠った愛猫の脳内では、「急に救急車の音にビックリ」「庭先に鳩が降り立ち大興奮」「ごはんもおやつも美味しかった」などのシーンが浮かんでいるのかもしれません。

眠ることは、いわば、記憶を編集作業しているようなものです。その編集プロセスの中で、夢として記憶が再生されるとき、猫は我知らず寝言を洩らします。

「ニャー」であれば、飼い主さんにたっぷり甘えられてうれしかったこと、「フーン」は日向ぼっこの心地よさ、「カカカ」だった場合、窓越しに鳩を見つけたとき、などの可能性が考えられます。寝言ひとつでいろいろと想像できるのも、愛猫暮らしの魅力です。

3.注意が必要な寝言もある!

ほとんどの場合、猫の寝言に問題はありませんが、なかには、注意が必要な状況もあります。そのひとつが「てんかん」の発作時です。

「てんかん」は、突然発作的に起こり、驚くほど大きな寝言や全身に渡る激しい痙攣(けいれん)、手足の硬直などが見られることがあります。さらに、口から泡やよだれが洩れてくることもあります。

「てんかん」の発作中は、「触らない」「動かさない」が鉄則です。周りの物や落下物などで怪我しないように注意しましょう。

5分以上発作が続いたら、迷うことなく動物病院に連絡してください。その際には、発作の様子をスマホなどで動画撮影しておくと、受診時にとても役立ちます。

この他にも、寝言を言いながらの大イビキは、「猫風邪」などの呼吸器系トラブルが発生している影響かもしれません。愛猫のためにも早めに動物病院に相談してください。

まとめ

今回は、猫の寝言について、3つのパターンを紹介しました。簡潔にまとめると、猫の寝言で問題なのは、「てんかん」の発作や大イビキを伴った場合です。それ以外は、基本的に心配いりません。

寝言を通して、愛猫のイメージ世界をいろいろ想像できるのも猫飼いの醍醐味です。今後も愛猫が健康に暮らせるように、やさしくフォローしてあげてください。


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情報提供元: ねこちゃんホンポ
記事名:「 猫が『寝言を言う』のは普通のこと?考えられる3つの理由 気をつけるべきパターンも