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問題行動を起こす場所が決まっている、問題行動を起こす状況がいつも似ているなどの場合は、その共通点に問題行動の引き金があることが多いです。
引き金となっている環境を変えることで、問題行動の出現を抑えることができるでしょう。
その際、必ず代替え案を用意しましょう。禁止されるだけではストレスが溜まってしまうため、猫の気持ちをよく考えて対処することが大切です。
・引き金がわからない場合
問題行動の引き金となる原因がわからない、環境を変えてもおさまらないといった場合は、「その行動をすると嫌なことが起きる」ことを学習させ、自らその行動をしなくなるようにします。
「嫌なこと」とは、飼い主さんが怒鳴りつけたり、手をあげたり、狭い場所に閉じ込めたり、食事を抜いたりということではありません。
そういった行為は、問題行動に対する罰だと理解できないので意味がありません。
・どうしても「やってはいけない」と教えられない場合
いずれの方法でも解決できなかった場合は、思い切って飼い主さんの考え方を変えることで解決が図りましょう。
ご自身の中の「こうであるべき」という考え方を少し柔軟にすることで、怒りの閾値を下げるのです。
猫の習性をよく知り、自分が猫の立場だったらどう感じるかを考えましょう。そうすれば、現在の環境をどう変えれば猫の行動が変わるのかが見えてくるはずです。
いくつか例を挙げますので、考え方の参考にしてください。
1.同じ場所で爪をとぐ
防護シートを貼って、すぐ近くに爪とぎ器を設置する。
2.留守中に部屋の中を荒らす
外が見える窓辺の開放、知育玩具を与える等で退屈しない環境を作る。
3.夜中に大運動会をする
夜寝る前に一緒に遊んでストレス発散をさせ、疲れさせる。
4.長時間留守にすると粗相をする
トイレの数を多めに設置する。
猫が問題となる行動を起こしたくなる原因を排除したら、必ず代替え案を用意します。前述の例だと、爪とぎ器、外が見える窓辺や知育玩具、寝る前の遊び、トイレの追加などです。
ただ与えるだけではなく、使い方を教え、上手に使えたら褒めてあげることで、代替え案をすると「良いことがある」と学習してもらいましょう。
「その行動をすると嫌なことが起きる」と学習してもらうのは、猫にとって効果的な学習方法ですが、難しいため根気と工夫が必要です。
嫌なことをしているのが飼い主さんであるとわかってしまうと、飼い主さんの目を盗んでやればいいと思わせてしまいます。猫の行動の結果として「嬉しくない」ことになると思わせるのがポイントです。
例えば、飼い主さんの気を引こうとして問題行動を起こす場合は、何も反応せずに「無視する」のが最も効果的です。
ご自身の中での重要度、優先度を整理してみましょう。絶対に譲れないことと、譲れることが見えてくるはずです。
例えば絶対に譲れないことが「大切な家具を傷つけない」ことであれば、大切な家具は猫の手が届かない場所に置くというのが最も簡単で効果的な対処法です。
猫と一緒に暮らしていると、つい感情的に怒りたくなることがあります。
しかし感情的な怒りは、猫にとっては理由もわからずただ怖いだけの、理不尽なものにしか思えません。
ビジネスの場などで活用されているアンガーマネジメントの考え方を取り入れ、愛猫のどんな行動にも冷静に対処できるようになりましょう。