亡き愛猫と過ごす静かな時間…米国最古の「ペット墓地」は動物を愛した人たちの救いの場だった 米国
埋葬した愛猫を、毎日訪ねる男性
ニューヨークに住むMark Lindenbergさんは、散歩で10分ほど離れた「ハーツデール ペット墓地」にほとんど毎日でかけます。2020年8月に亡くなった愛猫Boots(享年17歳)に会うためです。
絵のように美しい草地に立つこの墓地に、Bootsは眠っています。墓石には「君のおかげで、愛し愛されることを知った」と刻まれています。
周囲の別の墓石には「真の友は君だけ」や「最愛の女王だった」などの銘も見られます。
「人間の墓地は悲しいものですが、ここに来ると元気づけられます。お墓のそれぞれから飼い主の愛情が伝わってくるし、添えられたおもちゃや風車も、訪れる人を楽しい気分にしてくれるのです」とMarkさん。
Markさんはこの墓地に愛猫を埋葬するため、約7000ドル(約105万円)を支払いました。これには区画使用料と棺代、墓石、埋葬経費のほか、永代管理費も含みます。
「これまで働いてお金を稼いできたのですから、愛するBootsのために使うのは当然です。この墓地に埋葬すると決心し、即日手続きをしました」
墓地にはめずしいペットも
ハーツデールは米国最古の現存するペット墓地で、2012年に「歴史的公共財」として登録されました。
1896年、当時りんご園だったこの場所に、顧客の犬の遺体を埋葬することを、ニューヨーク市が獣医に許可したのが始まりです。それ以来、約7万匹のペットが2ヘクタールの墓地に埋葬されています。ほとんどは猫と犬ですが、珍しい動物もいます。
「爬虫類やネズミ、猿や馬のほか、1912年にロシア王女が埋葬したライオンもいます。数年前にベンガルトラの遺灰も埋められました。歌手のマライア・キャリーの愛猫Clarenceもいます。もっとも古い墓石は1898年、Blagueという名の犬のために建てられたものです」というのは、同墓地の副社長Edward Martin3世です。彼は、1974年にここを購入した父親とともに墓地の経営を続けています。
「飼い主がペットを失ってどれほどつらいかを、この目で見てきました。わたしはそうした人々を助けることができる立場にいるのだと感じています。そのために尽力したいですね」
ペットとともに人間も埋葬
墓地のシンボルは、丘の頂上にある軍用犬の記念碑です。1923年に設置されたときは第一次世界大戦で戦った軍用犬に捧げられたものでした。しかし今では、あらゆる戦争で活躍した軍用犬の功績を讃えるものになっています。
同墓地はペットの安息の地ではありますが、これまで約800人の人間の遺骨もペットと一緒に埋葬されています。経営者一族のMartin家の墓石もあります。もちろん社長も副社長も、いずれこのお墓に眠る予定です。
前述のMarkさんも、自分が亡くなったら火葬してもらい、Bootsと一緒のお墓に埋葬されることを望んでいます。
「わたしは独り身で、将来結婚するかどうかもわかりません。そんな自分にとっては、17年間一緒に暮らしてきた愛猫のそばに眠るのが最良のことだと感じています。命のある間は、Bootsのお墓を訪ねて愛猫に語りかける日々を送りたいですね」
出典:At America’s oldest pet cemetery, humans spend eternity with faithful companions
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