1.猫の習性に合わせた環境を整える

外の世界に興味を持つ猫は、背景に生活上の不満を抱えている場合があります。精神的なストレスは、外出衝動を誘発するだけでなく、放置したままでいると、何らかの病気につながりかねません。

深刻な事態になる前に、おうちの生活環境を改めて見つめ直すのもひとつの方法です。

理想的なのは、猫の習性に寄り添った空間づくりです。野生時代からの本能で、猫は高いところや狭いところを好みます。

それに合わせて、キャットタワーやキャットステップ、あるいは、秘密の隠れ家を効果的に配置してみてください。上下運動を含め、立体的に動けるようになると、愛猫の行動にも変化が生まれます。

活気ある本来の「猫らしさ」が戻れば、外の世界に憧れることもなく、おうちの中だけで充足することも可能です。

2.満足するまで遊んであげる

愛猫にふさわしい生活環境を整えたうえで、気が済むまで遊んであげることも大切です。猫は生まれながらにしてハンターで、どんな子であれ、少なからず狩猟本能が備わっています。死角で待ち受けつつ、あらわれた獲物に猛然と飛びかかる一連の行動は、猫にとっても刺激的な体験です。

もちろん、実際の狩りのようにはいきませんが、おもちゃなどを活用すれば、飼い主さんと楽しみながら、ある程度、持ち前のハンティング能力を満たせます。

鳥の羽がついた猫じゃらしや音の鳴るボール、蹴りぐるみ、ネズミのラジコンなど、おもちゃのタイプはいろいろ。愛猫の好みに合ったものを選んでみてください。

遊ぶ時間は、1日で計15~25分程度、1回につき5~10分程度が目安となっています。猫は持久力に欠けるため、長々と遊ぶのは禁物です。もし飼い主さんが忙し過ぎて、遊ぶ時間を十分に確保できないなら、ひとりで遊べる知育玩具を用意してあげましょう。

おもちゃでしっかり遊べば、ストレスや運動不足を解消でき、健康維持にもつながります。結果として、外への関心がだんだん落ち着くと、飼い主さんもひと安心です。

3.去勢・避妊手術を済ませておく

去勢・避妊手術を済ませておくことも、現実的な選択肢です。特に雄猫は発情期になると、脱走を含め、外に出たがる傾向が強くなります。そわそわしたり、大きな声で鳴いたり、尿スプレーしたり、問題行動が増えるのも特徴です。

手術(去勢、避妊)に最適な時期は、雄・雌ともに、生後6~7ヵ月ぐらいです。手術を受けると、雄の場合は前立腺や精巣腫瘍、雌の場合は乳腺腫瘍や子宮関連の病気の危険性が減ります。

一方で、太りやすい体質に変わるので、飼い主さんの栄養面でのフォローが不可欠です。術後は、性格や行動も穏やかになり、以前のように外に出たがることも少なくなります。

ただし、去勢・避妊手術には麻酔のリスクもあり、実際に決断するときは、かかりつけの動物病院に相談してみてください。

外の世界は危険に満ちあふれている

活発な性格の猫にとって、外の世界は確かに魅力的に映るかもしれません。しかし、見方を変えると、刺激が多いゆえに危険もいっぱいです。

外に出れば、交通事故をはじめ、外猫とのケンカによる感染症(猫白血病、猫エイズなど)、ノミ・ダニといった寄生虫の病気など、命に関わるトラブルも避けられません。

ちなみに、認定NPO法人 人と動物の共生センターの調べによると、交通事故死、いわゆるロードキルで亡くなった猫の数は、推計で約29万匹とされています(2019年度)。

外飼い猫の平均寿命は約13~14歳で、完全室内猫の約16歳に比べると、数年の違いがあります。人間の年齢に換算すれば、3年目を迎えた猫の1年は人間の4年に該当。たとえば、2歳違うだけで実に8年も寿命が変わってくるわけです。

自由奔放に見えても、外飼い猫には、常に想定外のリスクがつきまといます。どう暮らせば愛猫がいちばん幸せなのか、改めて飼い主さん自身でよく考えてみてください。

まとめ

本文でも説明したように、おうちの外は危険だらけです。猫が外に出たがる背景には、ストレスや運動不足などの問題を抱えているケースもあります。

対策としては、猫らしさを取り戻す環境改善に加え、適度なおもちゃ遊びが欠かせません。愛猫の幸せのために、飼い主さんはこれからも適切に対処するように心がけましょう。


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情報提供元: ねこちゃんホンポ
記事名:「 愛猫が『外に出たがる』ときの3つの対処法 心をオニにしてでも外に出さないほうがいい理由も