猫に『ドッグフード』を与えてはいけない3つの理由 犬猫同居家庭が注意すべきこと
1.栄養バランスが崩れる
キャットフードとドッグフードでは、含まれている栄養が異なります。また、猫と犬とでは必要とされる栄養素や摂取すべき量が違うので、猫がドッグフードを食べていると栄養素の過剰や不足が生じてしまうのです。
特に注意すべきなのは、動物の体内で合成できないため食事で摂る必要がある「必須アミノ酸」が猫と犬で異なること。犬の必須アミノ酸には含まれていない「タウリン」が猫にとっては必要不可欠なもので、不足すると失明や心臓疾患につながる可能性があります。
また、犬はβカロテンを原料にビタミンAを体内で生成できますが、猫はこの生成能がないため食事から摂取しなくてはなりません。このため、ビタミンAが十分に含まれていないドッグフードを食べていると、ビタミンA不足に陥ってしまうリスクがあり、皮膚や目にトラブルが出る可能性があることにも要注意です。
2.タンパク質が不足する
猫と犬とは食性も違っていて、猫は完全な肉食動物である一方で犬は雑食の動物です。猫に比べて犬はエネルギー源として必要となるタンパク質の量が少ないので、ドッグフードに含まれるタンパク質の量では猫の必要量を満たせない可能性があります。
猫の体にタンパク質が不足すると、以下のような症状がみられるようになります。
- 筋肉量の低下
- 成長不良
- 貧血
- 免疫力の低下
摂るべき栄養が不足することで病気にかかりやすくなったり、成長に悪影響を及ぼしてしまったりするリスクが高まるのです。
3.中毒物質が含まれている場合がある
犬用のウエットフード(セミモイストフード)には、猫が中毒を起こしてしまう「プロピレングリコール」という保湿剤が含まれているものがあります。
プロピレングリコールには菌を抑制する作用やしっとりとした質感にする保湿作用があり、犬用のフードでは禁止されていない食品添加物なのですが、猫用のフードでは使うことを禁止されています。
なぜ禁止されているのかというと、プロピレングリコールを猫が口にしてしまうと「溶血性貧血」を引き起こし、命にかかわる危険があるからです。
致死量は個体差がありますが、少量でも中毒症状が現れる可能性は十分考えられますので、ドッグフードを猫が誤って食べないように細心の注意を払いましょう。
犬猫同居の家庭が気をつけるべき点
犬と猫を一緒に飼っているという家庭も多いかと思いますが、フードの共有はしないようにしてください。また、猫のいる部屋でのドッグフードの置き餌は避けましょう。
犬が空腹になった時のみドックフードを用意して、食べ終わった様子が見られたらすぐに片づけるようにしましょう。
盗み食いなどで飼い主が見ていない間にフードを共有してしまう可能性もありますので、犬と猫とでは食事の時間をずらしたり、犬猫ともケージ内での食事を習慣化したりしておくと、盗み食い防止にもつながります。
猫にドッグフードを与えないようにするだけではなく、猫の手が届いてしまう場所には保管しないなど、誤食を防ぐ対策を徹底しましょう。
まとめ
今回は、猫に「ドッグフード」を与えてはいけない理由について、犬猫同居家庭が注意すべきことと合わせて解説しました。
ドッグフードは犬が必要とする栄養バランスを狙って作られていて、猫に与えると栄養素の欠乏や過剰となってしまう可能性があります。
猫の成長や健康を守るために必要となるタンパク質やタウリン、ビタミンA等の栄養素を適切に摂るためには、正しくキャットフードを与えてください。
そして、犬用ウエットフードに使われることがあるプロピレングリコールは、猫の毒となる食品添加物ですので、絶対に猫に食べさせないように管理を徹底しましょう。
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