人間はネコである

猫が人間のことをどう認識しているのか、犬との相違点を比べるとわかりやすいかもしれません。犬は、人間と相対する場合、同類の犬と接するときは明らかに違う態度をとります。言い方を変えれば、人間をどこかしら特別視しているわけです。

一方、猫は、人間を「ネコ」の延長線上に考えているフシがあります。犬と違って、人間に対しても猫同士と同じように接するからです。

人間社会に置き換えれば、たとえ相手が取り引き先の社長であっても、常にタメ口でしゃべる、ということになるかもしれません。主従関係を重視する犬のように、人間を自分より「上位」に位置づけていたら、とうていありえない行動です。

端的に言うと、人間と関わるとき、犬は見上げ、猫はフラットな視線でとらえます。その観点から判断すれば、猫は、自分よりも数倍も大きい人間を「たぶん、ネコだろう」と結論づけているようです。

以下、続く項目では、人間のことを「ネコ扱い」しているらしい猫の定番行動を紹介します。

1.ペロッ

甘えてきたり、ごはんをおねだりしたり、何らかの要求を伝えるために、猫はときどき飼い主さんの手や顔、腕などをペロッ、あるいは、ペロペロッと舐めてくることがあります。

仲のいい猫同士で交わされる行動で、「敵意はありません」といった友好的な関係を示すコミュニケーションの一環です。

いったん始まると、頭や首、耳の後ろなど、ふだん届かない場所を中心に舐め合います。専門用語的には「アログルーミング」と呼ばれ、信頼関係をしっかり築けている証拠です。

もし身体のどこかをペロッと舐められたら、飼い主さんは愛猫から「ネコ認定」されたことを意味します。日頃のお世話が実った証です。おめでとうございます。

2.鼻チュー

愛猫といっしょに暮らしていると、ふとしたときに、突然、鼻チューされることがあります。飼い主さんからすると、悶絶必至の瞬間かもしれません。

鼻チューもまた、猫同士の親愛度をあらわすバロメーターです。フランクなあいさつと同時に、お互いの情報交換の意味もあります。口まわりにある分泌腺からの匂いを手がかりに、食べたものや行動履歴、健康状態までも判断し合うからです。

花言葉にならえば、鼻チューの猫言葉は「相思相愛」です。親愛なるネコ族としてデビューできたことになります。

口のまわりの匂いから、ランチにマルゲリータ・ピッツァセットをペロッとたいらげたこと、取り引き先の社長にうっかりタメ口を使ってしまい、激怒されたことも、愛猫はすっかりお見通しかもしれません。

3.頭ゴッチン

猫の面白いところは、行動そのものは攻撃的なのに、込められた真意が「愛情」であることです。その代表的なものが、愛ある頭突き、「頭ゴッチン」。おそらく、猫飼い初心者の方は「愛猫にシバかれた!」と思わず勘違いしてしまう行動かもしれません。

頭突きすることで、猫は相手に「好きだよ」と伝えます。飼い主さんに対しても同じです。猫の愛情表現の中でも最上位に入ります。意外に力強くてびっくりすることもありますが、愛牛の頭突きに比べれば、ずいぶんかわいいものです。

愛猫に「頭ゴッチン」されたら、「大好き!」と判断して間違いありません。少々クセのある愛情表現ですが、不器用なラブソングとして丁重に受け取ってあげてください。

まとめ

猫が人間をどう認識しているのか、ある意味、太古から続く謎かもしれません。犬の行動パターンとの比較、猫同士で交わす行動の適用などから、現段階の推測では、「人間はネコである」と見なしているらしい、ということがわかっています。

喜ぶべきか、悲しむべきか、いや、多くの方は、きっと前者の気持ちが強いでしょう。ときに愛猫がお腹の上を「けもの道」みたいに踏みつけていっても、飼い主さんは、怒るどころか、ニヤッとせずにはいられないからです。


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情報提供元: ねこちゃんホンポ
記事名:「 愛猫が『飼い主さんを猫だと思っている』ときの3つの行動 そもそも猫は「人間」をどう見ている?