猫が『孤独』を感じているときの3つの行動と考えられる原因 どうフォローすればいい?
孤独を感じる猫の3つの行動
猫は本来、単独で暮らす動物です。しかし、人と一緒に生活している猫は、ときどき孤独を感じることがあります。
猫が孤独を感じた時の典型的な行動は、以下の3つのパターンが挙げられます。
1.いつも以上に甘えてくる
猫が孤独を感じていると、いつも以上に甘えてくることがあります。
飼い主に甘えて、それに応えてもらうことで安心感を確認しようとしているのです。
たとえば、ふだんは足元に寄り添う程度の猫が、歩けないほど足にまとわりついてきたり、膝の上に乗って顔を力いっぱいこすりつけてきたりします。
また、飼い主の姿が見えない場所で、大きな声で鳴いたりすることもあります。
このようなときは、猫は孤独から来る不安をなんとか解消したがっているので、すこし時間を取ってかまってあげるとよいでしょう。
2.怒りっぽくなる
猫の個性はさまざまです。
孤独で寂しいから飼い主に甘えようと考える猫もいれば、逆に、寂しい気持ちを紛らわせる目的や気を引こうとする目的で、飼い主に対して攻撃的になってしまう猫もいます。
飼い主を噛んだり引っ掻いたりすることで、不満を表現しているのです。
たとえば、いつもなら撫でられるのが好きな猫が、急に猫パンチや噛みつくフリをしてくるなどです。なかには、本当に噛んでくる猫もいるでしょう。
また、孤独を感じている猫は、自分の気持ちが満たされないのは、飼い主のせいだと思っているのかもしれません。
そのため、できるだけ自分を守ろうとして、飼い主に対して甘えとは逆に排除するような行動を取ってしまうことがあるのです。
ふだんから仲良くしている愛猫が、飼い主を攻撃するのは、決して単なる気まぐれではありません。孤独からくるストレスが原因にあると理解する必要があります。
3.過剰なグルーミング
猫の孤独感が強くなると、過剰なグルーミングをはじめることがあります。
通常なら、猫はグルーミングをするときはリラックスして過ごします。しかし、必死になって同じ場所をいつまでも舐め続けたり、毛を噛んでむしり取ったりするなど、異常行動が見られることがあります。
これは、ストレス過多における「転位行動」と呼ばれるもので、原因の中には「孤独によるストレス」も含まれます。
本来、グルーミングは猫の習性のひとつですが、過剰に舐めすぎることで、毛が抜けて皮膚が傷になってしまったり、多量の被毛を飲み込んだりして毛球症になるリスクも高まります。
過剰なグルーミングは、ストレスだけでなく、皮膚病や内臓の問題、神経系の不調などが原因となることもあります。誤った判断でケアが遅れないよう、慎重にならなくてはいけません。
猫の孤独の原因は?
猫が孤独を感じる原因には、以下のようなことが考えられます。
- 親しい飼い主の長期不在
- 引っ越しによる住環境の変化
- 無視や拒絶をされる
- 新しい家族の存在
猫の習性から見ると、本来は単独で生活する動物なため、離乳後は1匹で暮らすことも不可能ではありませんが、飼い猫は猫にとって一番身近な「環境」の一部です。
猫は環境の変化を好まないため、普段と違っていることから、不安や孤独を感じてしまいます。
飼い主が長期不在、転居により住み慣れた家が変化する、あるいは新しい家族に飼い主の気持ちが奪われていると、猫にとっては自分の一部が欠けたように孤独を感じてしまうのです。
孤独を感じている猫への対応
単頭飼いで性格が甘えん坊な猫ほど、飼い主に依存してしまい、飼い主の不在時や拒絶されたときに孤独を感じやすい傾向にあります。
すでに猫が孤独を感じているようなら、猫が自立して生活できるようフォローしてあげましょう。
具体的には、猫が安心できる居場所を何か所か確保して、飼い主さんのニオイがついているものを与えましょう。ここは自分のテリトリーだと理解できると猫は安心するからです。
そして一日一回は飼い主さんから遊びに誘って、一定時間、一緒に過ごすようにしましょう。おもちゃで遊んでもいいですし、ブラッシングでもかまいません。飼い主さんの外出中に、家財の破壊や過剰グルーミングなどの異常行動が見られる場合は、外出前にしっかりと遊ぶことで「飼い主の外出への不満や不安」を軽減することができる可能性があります。
飼い主さんが毎日決まってコミュニケーションを取ることで、猫の孤独感が解消され、安心して過ごせるようになるはずです。
本来、猫は自立心を持っている動物なので、お互いを尊重しあい生活することが可能ですが、ときに飼い主の誤った飼い方が猫に依存させてしまうこともあります。
それを防ぐためには、飼い主は猫の言いなりにならずに節度を持ってつきあうことが必要です。
まとめ
この記事では、猫が孤独を感じるときの行動や原因、そして対処法について解説しました。
甘えん坊な猫ほど、孤独を感じてしまいます。これは、飼い主を含む環境の変化に戸惑い、不安になっている可能性があるからです。
猫に過剰な甘え、不適切な怒り、グルーミングのしすぎなどが見られたら、適切なフォローをすることで、猫の孤独感を和らげることができます。
飼い主は定期的なコミュニケーションや安心できる環境を提供することで、猫も必要以上の孤独を感じずに過ごせるようになります。
孤独によるストレスは、ひどくなると健康問題にも発展してしまいます。生活に支障をきたすほどの異常行動が見られる場合は、状況が悪化する前に行動診療に長けた獣医師に相談することも検討しましょう。
猫に長生きしてもらうためにも、ストレスの少ない環境を整えてあげるように心がけましょう。
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