家に飾らないで!猫には危険すぎる『春の花』5つ うっかり誤飲してしまったときの症状と対処法
1.チューリップ
開花時期:3月下旬から5月上旬
チューリップは中央アジアを原産とするユリ科の植物です。今では、世界中で栽培されており、特にオランダが最もよく知られています。
赤、黄、白、ピンクなど鮮やかな色合いと大振りな花びらが特徴です。
チューリップには、球根をはじめ、茎や葉、花にいたるまで有毒成分が含まれています。
「ツリピン」や「ツリパリン」とよばれるこの成分は、直接触れたり、誤飲したりしてしまうと激しい皮膚炎や口内炎を引き起こします。大量に食べると心毒性を起こすという報告もあります。また、人間でも中毒を起こす可能性がありますので、注意しましょう。
2.アネモネ
開花時期:2月から5月
アネモネは、ヨーロッパから地中海沿岸が原産のキンポウゲ科の多年草です。
白、赤、ピンク、紫、青などカラフルな色が特徴ですが、実は色がついている部分は「ガク」の部分。なんと、花びらのない珍しい植物なのです。
アネモネには、全ての部分に有毒成分の「アネモニン」が含まれており、汁液に触れると激しい炎症を引き起こします。食べてしまうと呼吸困難など命にかかわる可能性もあります。
3.ラナンキュラス
開花時期:3月から5月
ラナンキュラスも、アネモネと同様キンポウゲ科の多年草で、原産地は、南ヨーロッパからアジア西部にかけての広範囲です。
薄い花びらが幾重にも重なったバラやカーネーションのような豪華な花びらの品種が人気で、赤や黄色、オレンジ、白などの色とりどりの花を咲かせます。
ラナンキュラスにも、有毒である「アネモニン」が含まれています。ポンポンのように丸い形をした花は、猫は興味を持ちやすく誤飲の危険が高まります。
4.スイートピー
開花時期:4月下旬から6月中旬(品種により8月くらいまで)
スイートピーは、オリーブやレモンで有名なイタリア・シチリア島原産のマメ科の植物です。
フリルのような可憐な花びらが特徴で、色は赤、ピンク、黄色、白、青、紫など濃淡合わせて16色ものカラーが揃っています。バラのようなほんのりと甘い香りがするのも特徴です。
スイートピーの茎や種には、「アミノプロピオニトリル」という毒性の高い成分があり、猫が口にしてしまうと神経に異常をきたすことがわかっています。麻痺やけいれん、死に至ることもあります。
5.ラベンダー
開花時期:4月から7月
ラベンダーは、地中海沿岸、南アジアからアフリカ北部にかけての広範囲が原産の常緑性低木です。
色の名称にもあるようにラベンダーは紫色が有名ですが、なかにはピンクや白い花のラベンダーも存在しています。真っ直ぐ伸びた茎の先の方に、つぶつぶした小さい花をたくさんつけるのが特徴です。
ラベンダーの花や葉には、精油が取れるほどの油分が含まれています。この香りの油には「リナロール」という成分があり、猫は代謝が十分にできず中毒症状を起こす可能性があります。
鉢植えが一般的なラベンダーですが、春に開花すると香りを楽しむために、切り取って部屋の中へ飾るケースがあります。ラベンダーの香り成分が中毒の原因となるので、花自体はもちろん、ラベンダーのアロマオイルも含め家の中への持ち込みも避けたい植物です。
猫が危険な花を誤飲したときの症状・対処方法
猫にとって危険な植物を食べると、12時間以内に異常が出る可能性があります。
主な症状や対処法は以下の通りです。
- 嘔吐
- 下痢
- よだれ
- ふるえ
- ふらつき
- 呼吸困難
- 意識低下
- けいれん
症状の違いや重症度は、摂取した植物の種類や量によっても異なり、貧血や腎障害など症状が出るまでに時間がかかることもあります。
もし、猫が誤飲してしまったことに気付いたら、自宅で吐かせようとせず、すぐに動物病院へ相談してください。
また、食べてしまった植物の名前や量がわかれば獣医師に伝えましょう。最近では、写真から植物を検索することもできますので、写真を撮影しておくことも有効です。
まとめ
好奇心が強い猫は、植物が飾られていると、どうしても興味を持ってしまうことがよくあります。
私たちが飾る花の中には、今回紹介したような猫に有毒なものが多数存在します。今回は、春に出回る花を紹介しましたが、ほかにも危険な花はたくさんあります。
猫が誤って食べてしまうと中毒を起こし、場合によっては命に関わる重篤な症状を引き起こすおそれがあります。
すこしでも猫が食べてしまったことがわかったら、すぐに獣医師に相談するよう心がけましょう。
ときには人からお花を頂くこともあるかもしれませんが、猫を飼っている家ではできるだけ飾らないようにしておく方が安心かもしれません。
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