猫の『お腹がたるむ』理由3つ 歩くとたっぷんたぷんに揺れる…これ異常?
お腹のたっぷんたぷんの正体は?
猫のお腹にあるあのたっぷんたぷんの正体はプライモーディアルポーチ(通称ルーズスキン)と呼ばれるもので、袋状の皮膚です。日本語では「原始的な袋」という意味になります。脂肪ではありませんので、決して肥満というわけではありません。
プライモーディアルポーチは、年齢や性別に関係なくすべての猫が持っており、大きさには個体差があります。
猫に限らずライオンなどのネコ科の動物が持っているもので、活動をするうえで重要な部位だとされています。ただし、役割については諸説あり、まだはっきりとしたことは解明されていません。
1.敵の攻撃からお腹を守るため
猫のお腹には、生きていくために重要な器官がたくさん集まっています。プライモーディアルポーチは、そんな猫のお腹を致命傷から守るために発達したと考えられているのです。
たとえば猫は縄張り意識が強く、自分の縄張りを守るために猫同士でケンカをすることがあります。猫同士のケンカでは、取っ組み合いでお互いにお腹を激しく蹴り合うことが多いのです。また取っ組み合いの最中に鋭い爪がお腹に刺さってしまうこともあるでしょう。
プライモーディアルポーチは、このような激しいケンカの際に、衝撃を和らげ内臓に損傷を負わないようにする役割があるのです。
2.足の可動域を広くするため
ネコ科の動物は、関節の可動域が広く、ジャンプや速く走る際に体を大きく伸び縮みさせます。プライモーディアルポーチは、そのような動きに対応するためにあると考えられています。
猫のジャンプ力は自分の体の5倍にも達しますし、猫が本気で走るとトップスピードは時速50kmとも言われています。また狩りの際には、瞬発力も問われます。もしお腹の皮膚が固く、柔軟性がなければ、猫が動いた際に皮膚が突っ張って思うように動けなくなるでしょう。
つまりプライモーディアルポーチは、猫が自由自在に動き回るためにはなくてはならない重要な存在なのです。
3.たくさん食べるため
猫は狩猟動物です。そのため食事にありつけるのは、獲物を捕まえたときだけなのです。
猫の狩りの成功率は、32%または50%という説があります。どちらにしても、自分のお腹を満たせるだけの動物を毎日捕まえられるとは限りません。つまり猫が生きていくためには、狩りに成功したときになるべくたくさん食べて栄養を蓄えておかなければいけないのです。
しかしお腹が膨らむ余裕がなければ、多く蓄えておくことができません。そういったことからプライモーディアルポーチは、猫がたくさん食べてお腹が膨らんだときにも対応できるように皮膚がたるんでいるのではないかという説があります。
まとめ
猫のお腹に垂れ下がっているのはプライモーディアルポーチと呼ばれるもので、袋状になっている皮膚です。プライモーディアルポーチがなんのために猫のお腹に存在しているのかは、いまのところ明確な理由は分かっていません。
しかし今回紹介したように猫が生きていくうえで重要な役割を担っていると考えられています。
プライモーディアルポーチは肥満と間違われることもあるようですが、脂肪ではありません。つまり肥満というわけではありません。もちろん肥満でお腹が垂れ下がっている場合もありますので、気になる場合は獣医師に相談しましょう。
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