『精神的な負担がかかった猫』に起こりうる4つの病気 ストレスが原因で起きる体の不調と治療法
1.胃腸炎
精神的負担は『胃腸炎』につながりやすい傾向があります。自分もそうだという人も多いかもしれませんね。
下痢や嘔吐から始まり、重症化すると食欲の低下や痛みや違和感による震えなどの症状が見られます。慢性胃腸炎の場合は下痢や嘔吐が長期に渡って続き、被毛がパサパサになる猫も多いです。
胃腸炎の原因は食事内容やウイルス・細菌などであることが多いですが、ストレスで発症することもあります。
ペットホテルに預けたり、住まいや飼い主が変わったり、環境になんらかの変化があるときは要注意。不安な気持ちが強くなって胃腸炎になってしまうことがあるためです。
軽度であれば、血液検査や便検査、レントゲン・エコー検査などをした上で食事管理をしながら自然回復を待つのが基本です。重症化している場合は、全身麻酔をかけて腸を直接確認したり、摘出した検体を病理検査に送ることもあります。
2.特発性膀胱炎
『特発性膀胱炎』になると、トイレに頻繁に行ったり、行っても少ししか尿が出なかったりと、排泄に関する症状があらわれます。ときには血尿や排尿時の痛みなどもあり、猫にとっても辛い病気です。
特発性膀胱炎の原因は多岐に渡り、原因がはっきりと特定できないことが多いです。環境の変化やストレスで発症するとも考えられており、心の不安と完全に分けて考えることはできません。
心の問題から発症している可能性が高い場合は、ストレス要因を排除、療法食や抗生剤・消炎剤の投与、飲水量を増やして改善をはかることも。
3.心因性皮膚炎
猫には比較的多いトラブルです。ザラザラの舌で過剰に毛づくろいするために、体の一部が脱毛します。
さらに悪化すると皮膚炎を起こし、膿疱(のうほう)ができたり外傷状になることもあります。舐めることで炎症が起こるため、舌が届きやすいお腹や股などに発症する場合が多いです。
原因は心因的なもので、ストレスや環境の変化などによって起こることもあります。心を安定させるために毛づくろいを繰り返してしまい、その結果皮膚が炎症を起こし、痒みや痛みからさらに舐めてしまうという悪循環です。
治療にあたって舐めないようにエリザベスカラーを付けますが、ストレス要因の排除をしなければ根本的な解決になりません。
ただし環境を元に戻しながら、状態に応じてサプリメントや猫用フェロモンを使うこともあります。
4.猫ヘルペスウイルス感染症
『猫ヘルペスウイルス感染症』は通称『猫風邪』とも呼ばれる感染症の原因の一種です。くしゃみや鼻水など人間の風邪に似た症状があらわれ、重症化すると発熱や脱水を起こすこともあります。
目に症状が出ることも多いですが、その他にも流産や神経障害などさまざまな症状が出ることも報告されています。
猫ヘルペスウイルスを発症する原因は、鼻水や唾液を直接触ったり、吸い込んだりすることによる直接感染・飛沫感染です。免疫が落ちている猫や子猫は重症化しやすいとも言われており、ストレスの有無は非常に重要視されます。
結膜炎や鼻炎には抗生剤や抗ウイルス薬、脱水には輸液など、症状に合わせて治療を行います。重症化した場合は全身状態をより改善させるために、酸素室に入ったり強制給餌を行うなどその他の処置もしなければならない場合もあります。状況によっては入院も選択肢に入る怖い病気です。
まとめ
人間の心がさまざまな病気と関連しているように、猫もストレスで体調を崩すことがあります。
人間と同じで猫の性格も個体差があります。愛猫のこだわりや何を嫌がるのか、負担に感じていることは何なのかということを把握してあげられるよう努めましょう。
また、なるべく環境の変化がないように気を遣ってあげると心の安定につながります。
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