「おはよう!」と30回は呼びかけているワタクシ。別に友達がいないとか、そういうわけではありません。
私の知る限り、人間の話す言葉をそっくり真似できるのは「鳥類」だけ。私が子供の頃、小学校の近くの文房具屋さんで飼われていたオウムは「ハヤクイキナサイヨ!」「ウルセイ!」が口癖でした。
人間と98%遺伝子が同じはずのゴリラさえ、人間の言葉が話せず、手話でコミュニケーションを取るというのに(アメリカに住むメスのローランドゴリラのココちゃんは有名です。)鳥が日本語を話せるなんて!それならカラスだって喋れるはず?
ココちゃんに手話を教えたパターソン博士は、長年一緒に暮らすことで1000語の言葉をココに覚えさせたそうです。週2回のコミュニケーションで加藤くんがいつ「おはよう」を覚えてくれるかは未知数ですが、絶対できるはずですよね。
それはさておき、愛らしいルックスと完璧なプロポーションで人間をメロメロにした猫。この猫の生態はまだまだ明らかにされていない部分がたくさんあります。
「なぜ猫に鼻毛がないのか?」「どうして猫は時間に正確なのか?」一緒に暮らしていると様々な疑問にぶつかります。そして今朝、ふと思ったのが、
「どうして猫はニャーと鳴くの?」
という疑問。犬、猫、鳥、主なペットの中で、一番顔の作りが人間と似ている猫。もしかしたら、人間の言葉を喋れるんじゃないの?さっそく調べてみました。
■猫の声帯と人の声帯はどう違う?
人と猫。比べてみると、猫の方が優れている部分がたくさんあります。紫外線を見ることができ、超音波を聞くことができ、三次元の空間を把握することができる能力を持つ猫。人間の言葉を真似ることは容易いのではないでしょうか。
ゴリラに手話を教えたパターソン博士によれば、ゴリラが喋れないのは人間と声帯の作りが違うからだと説明していました。それなら猫はどうなのでしょうか。
久留米大学医学部耳鼻咽喉科学教室の豊住頼一氏の「哺乳動物喉頭の前額断解剖」レポートによると、なんと猫には声帯がない!ことがわかりました。
「猫の場合,人や犬にみられるような声帯は存在しないが,それに相当する特殊化粘膜が喉頭蓋喉頭側直下に認められる」(原文より抜粋)
「この粘膜組織は同じように喉頭室をもたない牛はもちろん,喉頭室をもつ馬にさえも観察されない特殊なものである」(原文より抜粋)
ざっくりと説明すると、猫にはいわゆる「声帯」と言われる器官はありませんが、特殊な粘膜の構造を持っていて、それは人よりも犬に近い作りになっているそうです。
うーむ、この豊住氏は「人・犬・猫・豚・馬・牛」の声帯を調べていますが、どうしてカラスを調べてくれなかったのか……。
■鳥が言葉を話せる理由
鳥の中で最もおしゃべりが上手だと言われているのは大型インコの一種、「ヨウム」です。オウムは意外に喋れないとか。私に毎朝「ハヤクイキナサイヨ!」と言っていたのはヨウムだったのかも。インコ類はおしゃべりが得意なようです。
言葉が上手は理由は「舌の筋肉が柔軟に動くから」。エサの皮を舌で剥くために筋肉が発達したインコの舌は人間の舌と似ていると言います。
なるほど、それなら猫にすごく硬いキャットフードを食べさせたら、舌の筋肉が発達するのでは?でも鳥は肺の上にある鳴管という器官をふるわせて声を出すと言います。そもそも声を出す作りが違うのかも知れませんね。
■猫はなぜ「ニャー」と鳴く?
やはり人とは声を出す器官が違う猫。猫が人の言葉を話せる確率はかなり低いような気がします。
でも、猫はなぜ「ニャー」と鳴くのか?その理由は人間と関係があるのかも知れません。
獲物にこっそりと忍び寄る「捕食動物」である猫は、そもそも「声」による伝達手段を使いません。猫が情報を伝える手段は「匂い」。フェロモンの匂いで相手の情報を読み取ると言います。
毎日香水やファブ●ーズなどを喜んで使う人間のことを、猫はどう思っているかはわかりませんが、1つわかっているのは、猫は人が「言葉」でコミュニケーションを取るのが好き、ということを知っています。
猫はきっと人を手なずけるために数千年かけて人間をじっくりと観察したのでしょう。そしてついに、「ニンゲンは赤ん坊の声に特に注目する!」という発見をしたのではないでしょうか。
そうです。猫の「ニャー」という鳴き声は、人の赤ちゃんの「オギャー」という鳴き声を真似したもの。本来なら声帯の仕組みは犬に似ている猫が、「ワン」とは鳴かずに「ニャー」と鳴くようになったのは、人間に注目してもらいたいからなのではないでしょうか。
いかがですか。実は最近わかってきた猫の知られざる生態。「猫はこうして地球を征服した」(合同出版)の著者、アビゲイル・タッカーも猫はこうやって人間を虜にしたに違いないと語っていました。人間を征服するのはエイリアンではなく猫なのかも?みなさんはどう思いますか? 情報提供元: 猫壱