獣医さんというのは、動物が好きでなった人が多いのに一生懸命治しても、当の動物からは嫌われちゃう。



よく考えると気の毒な存在かも。



特に猫の場合は病院嫌いが多くて、キャリーケースを出したら部屋のどこかに雲隠れ・・・



やっと捕まえてキャリーに入れても電車や車で移動中もずっとなきっぱなし。



病院に着いても今度はキャリーケースから出てこない…



ようやく出して診察台に乗せるころには、人も猫もクタクタ・・・なんてことも。



もちろん、中には病院大好きで診察台の上でゴロゴロ、獣医さんにもスリスリなんて余裕の猫もいますが、例外中の例外。



ほとんどは固まっているか、唸りながら猫パンチを出すかのいずれかです。



シッター先のジジ君は、私が行くと毎回お出迎えとお見送りをしてくれる礼儀正しい猫なのに、ひとたび病院リングに上がると戦う戦士へと豹変します。



ニャンタム級の猫パンチで現在『対獣医連続KO勝』記録更新中。







病気を治すための病院でもジジ君にしてみれば嫌な場所、獣医さんにしてみれば、診察したくても触らせてもらえず、逆に反則爪出しパンチが炸裂で「これだけ抵抗できるなら大丈夫でしょう・・・」などという迷診断を出さざるを得ない?



日夜、傷だらけになりながら治療に励んでいらっしゃるのです。



さて、もし自分の猫がこのお医者さん大嫌いタイプだったら、地域猫活動(野良猫に不妊去勢手術を施して、地域のルールに基づき適切に飼養管理する運動)に協力的な獣医さんを選ぶと良いかも。



ノラ猫さんの扱いになれているので、多少手ごわい対戦相手でも巧妙に判定勝ちへ持っていくテクニックを持っています。



そして看護師さんの保定が上手だと先生の治療もスムーズに進みます。



最近は猫専門の病院もできてますから、試してみるのも良いと思います。



ここで忘れてならないのが、治療は「飼い主・猫・獣医」3者間が協力して行うということです。



「病院に連れて行けば治してくれる」訳では決してなく、獣医さんは確かな技術、経験、知識を施し、猫は自らの持つ治癒力で治ろうとし、飼い主は猫の最高の理解者となり、愛情をこめてケアをするのです。



私は仕事柄「いい獣医さん教えてください」と聞かれることが多いですが、獣医さんとの相性、お客様の価値観、来院のタイミングもあり、情報としてお知らせはしますが、その方にとって最も良い獣医さんは、自分の足で、感性で、体験で見つけだすことです。



動物病院選びの基準は

①獣医さんの人柄。何でも相談ができて、話をきちんと聞いてくれる。偉そうで威圧的で説明もないのはNG



②院内は清潔で清掃も行き届き、診察台も毎回消毒している



③治療の明細書の発行など明朗会計



④緊急時の対応はしてくれるのか?自宅と病院が一緒の獣医さんは夜中でも診てくれることもありますが、緊急の提携病院などがあるかも大切



⑤勉強会などに参加して最新の技術を学んでいる情熱と向上心のある先生



⑥実際に利用している人の声はとても貴重な情報。里親募集の張り紙をしている病院はノラ猫さん保護にも理解がある。他にもいろいろありますが、なんといっても獣医さんも人間です。やはり「人柄」が私は一番大切だと思います。通院の負担や緊急時を考え主治医は近くで、手術や難しい病気の時は大学病院や専門病院と使い分けもできると思います。



最期に獣医さんには、質問や希望、なんでも直接聞いてみること。きちんと対応してくれなければ、転院をしてもいいと思います。そしてその判断や決断は自分で決め責任を人のせいにはしないことです。飼い主さんが一生懸命考えて決断したことは、猫も必ず受け入れてくれるはずです。

情報提供元: 猫壱
記事名:「 猫と獣医さん